人手不足が深刻化し、業務に支障を来す産業が少なくない。社会の活力低下を防ぐため、海外からの労働力のあり方を幅広く論議すべきだ。 安倍首相が、外国人労働者の受け入れ拡大を検討する方針を表明した。6月にもまとめる「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」に方向性を盛り込む。 医師や弁護士ら「専門的・技術的分野」の在留資格について、対象を現在の18種類から拡大する見通しだ。小売りや建設、運輸、農業などが俎(そ)上(じょう)に上っている。 この5年間に国内の労働者は306万人増え、このうち外国人が60万人で2割を占めた。少子高齢化で人口減が進む現実を踏まえれば、外国人の受け入れ増を検討することは理解できる。 一定の日本語能力や技能を要件に、従来より専門性の低い職種を対象とした在留資格の新設などが選択肢になるのではないか。 制度設計は、受け入れる企業や社会と労働者の双方にとって望ましい形でなけれ