グーグルは「悪いことはしない」を社是にしてきた。 そのグーグルがしばしば悪の権化のように非難される。 なぜそうしたことが繰り返されるのか? ●社会からずれていったグーグル ネット・ベンチャーからネットの王者に駆け上がったグーグル内部でどんなことがあったのか。今回は、グーグルの最高幹部をはじめスタッフたちに長時間にわたって密着取材しグーグル内部を描いたスティーブン・レヴィの『グーグル ネット覇者の真実』を手がかりに、そうしたことを考えてみたい。 グーグルは、「悪いことはしない」をモットーにしてきたにもかかわらず、悪いことをしていると見られることが増えてきた。たとえばわれわれのプライバシーを無視し、周囲の困惑をものともせず、ひたすら自分たちの金儲けを追及しているのではないかとときに見られる。 その原因のひとつは、まさにこの「悪いことはしない」という自負にあったように思われる。もし自分たちが悪い