日本の政策決定過程はどうなっているのか。誰が一番政策を決める力を持っているのか。政治家か官僚か利益(圧力)団体か。自民党の長期政権が続いているときには、これらの問題を研究する学者も多く、一定のパターンが抽出できた。 癒着の温床、政官業の「鉄のトライアングル」 自民党の政務調査会の下に、テーマごとに部会を形成し、そこを舞台に族議員と呼ばれるその分野に利害と関心とを持つ議員と、担当官庁の役人と利益団体の代表が集まって、政策を決めていく。議院内閣制なので、与党の議員たちが閣僚となって、各分野の政策を実行する。その過程で政府(内閣)と与党とが対立するようなケースは、ほとんどなかったと言ってよい。 したがって、官僚も利益団体も、与党の政治家に影響力を行使することが、自らが追求する政策を実現させる近道であった。分野別の部会のほかには、たとえば、税制調査会が毎年の税制改正の中身を決めた。税制改正が業界に