フィリピン・マニラ北方パンパンガ州カンダバで、冷蔵庫をボート代わりにして冠水した道路を移動する子どもたち(2015年12月18日撮影、資料写真)。(c)NOEL CELIS / AFP 【9月24日 AFP】迫害、飢饉(ききん)、内戦などから逃れた難民の大半は、一つのことを夢見ている。それは、いつの日か故郷に帰ることだ。だが、海面上昇によって何億人もが住む場所を追われると──科学者らによると、ほぼ確実に現実となる──帰れる望みはない。 地政学に関わる環境問題の専門家で、ベルギー・リエージュ(Liege)にあるヒューゴ観測研究所(Hugo Observatory)の所長を務めるフランソア・ジェメン(Francois Gemenne)氏は、AFPの取材に「海面上昇に関しては、帰郷という選択肢のない人口移動になる」と語った。 世界の海洋の水位は1900年以降で15~20センチ上昇しており、これは