『ニトリ 成功の5原則』(似鳥昭雄著、朝日新聞出版)の著者は、いうまでもなくニトリホールディングスの会長。同社は30年連続増収増益を続けているだけに、そのキャリアもさぞや華々しいものであろうと思わせます。が、実際のところはそうでもなさそう。というより、著者がたどってきた道筋にはこちらの想像を超えたものがあります。 たとえば私が高校に入学できたのは、裏口入学したからです。受けた高校を全部落ちてしまったので、ヤミ米屋をやっていた母が、最後に落ちた高校の校長先生に米俵を1俵送って、補欠合格ということで入れてもらったのです。(中略)大学は、四年制大学は全部落ちたので、短大に行ったのですが、実はそれも替え玉受験でした。それぐらい、出来が悪かったのです。 (「序章 人も会社も、原則は同じ」より) 卒業後は、父親が経営していた住宅基礎工事を請け負う会社に入ったものの、こき使われるのに嫌気がさして家出。次