被災地の復興支援を目的に東北地方の高速道路を無料化したところ、“タダ乗りトラック”が激増して問題になっている。 東京から九州まで荷物を運ぶ場合、無料化区間の常磐道水戸インターチェンジ(IC)まで北上し、そこでいったん降りて乗り直す。たったこれだけで、東京-福岡間の大型車の高速料金が3万5000円も節約できるのだという。 これは、経済学でいう典型的なフリーライダー(タダ乗り)だ。 警察や消防のような公共財は、利用者から個別に料金を徴収することが難しい。だから国や自治体が、住民から税金を集めてサービスを提供する。このとき大事なのは、一部のひとだけが損することのない公平で効率的なシステムをつくることだ。この制度設計に失敗すると、利用者のあいだに大きな不公平感を生むことになる。 国土交通相は繰り返し、制度の悪用をやめるよう“タダ乗りトラック”に説教している。調査によれば、水戸ICでタダ乗りをしたト