激しく対立している様に聞こえる「脱原発論」と「原発肯定論」だが、今回の原発事故の主因が無策、無能、無責任な構造に加えて、当事者意識と当事者能力のない行政と東電ののリーダーシップの混乱にあると指摘する点や、今後の電力対策として、発電と送電を分離した「スーパーグリッド」や再生可能エネルギーへの投資を拡大すべきと言う点では一致している。 違いと言えば、原発肯定論の多くが客観的データを基に現実的な問題を論じているのに対し、脱原発論は凡そ日本の国情とは比較にならないドイツの例を挙げて「2020年で原発をゼロにし、しかも温暖化ガスの25%削減も可能だ」と主張するなど、浮世離れした「市民運動家」の夢物語に過ぎない事だろう。(ドイツは、少し財政事情が悪化すると付加価値税率を16%から19%に、所得税の最高税率を42%から45%に引き上げて再生エネルギーのコストを補い、更なる電力不足は原発大国のフランスから