東京の桜が満開を迎える頃、日本で最も有名な“夜の顔”が静かに姿を消す。だが、12年もの長きに亘り、“庶民の代弁者”として熱弁を振るってきた古舘伊知郎キャスター(61)である。世間という碁盤を挟んで対峙した碁仇の退場を惜しみつつ、ひとつの疑問が湧き上がった。あんなに荒稼ぎしながら、どうして庶民の気持ちがわかったの? *** 今月末をもって『報道ステーション』を降板する古舘キャスターはここ数年、以前にも増して激しく持論を唱えるようになった。 昨年1月に放映された堀江貴文氏とのやり取りでは、 〈たった1%の世界の富裕層が、世界中の富の半分を占めるようになる。行き過ぎじゃないですか、グローバリズムって〉〈富が集中してるなって、所得の再分配をしなきゃいけないなって、マジメに思うもの!〉 また、その翌月には『21世紀の資本』で知られるフランスの経済学者、トマ・ピケティ氏と対談し、 〈富裕