「アイディアはつねに「疑問」から生まれる」。では、その問う力について真剣に考えるとはどういうことなのか。本書は著者自身のそんな問いから生まれたものといってもよいだろう。問うという行為の必要性、価値、よい問いの例、問いを妨げるもの、よい問いに近づくための工夫。本書は、問いにまつわる著者の思考の軌跡と考えることができる。 いわゆるHow-to本とは性格が少し異なる。よい問いをつくる手順がレシピのように書かれた本ではない。本書の原題は”A More Beautiful Question”。著者は「美しい問い」をこう定義する。 私たちが物事を受け止める、あるいは考える方法変えるきっかけとなる野心的だが実践的な質問のこと。(p.13) 本書には、「美しい問い」を発見するために著者が収集したさまざまな知恵がそこかしこに書かれている。それらを実際に試し問い続けることこそ、「美しい問い」へ読者が到達するた