東邦チタニウムは、要件を固めきれないが納期は厳守というプロジェクトをアジャイル開発手法を使って乗り切った。アジャイルは短い開発期間を繰り返し、要件を決めながら機能を実装する手法。ユーザー部門のキーマンをチームに引き込んだり、途中でアジャイル開発向きでない開発者を交代させたりして、プロジェクトを完遂した。同社として初めて挑んだアジャイル開発だったが、納期を守り、コストも計画内に収めた。舵取りの難しいアジャイル開発プロジェクトを成功に導いた手腕が評価された。 東邦チタニウムは、「アジャイル」と呼ぶ開発手法でチタンインゴット(金属チタンの塊)の生産管理システムを構築した(図1)。アジャイルは短い開発期間を反復して、機能を組み上げていく。同社にとっては初めての試みだった。要件を決めながら開発できるメリットを得るには、プロジェクトの体制や運営に工夫があった。 「要件を固めきれないうえに納期厳守。仕様