これは米マクドナルドが2018年から導入しているセルフオーダーシステムだ。開発したのは、IT(情報技術)企業のグローバルロジック。日立製作所が21年7月、約1兆円で買収した企業だ。 グローバルロジックのスニール・シンCTO(最高技術責任者)は「マクドナルド側の業務効率化だけでなく、個々の消費者に最適なメニューを提供するパーソナライズ化の要素を加えた」と話す。 グーグルやオラクルも顧客 IDとパスワードを登録すれば、2回目以降の注文時に、以前カスタマイズしたメニューを薦めてくれる。画面のメニューは写真付きで、子供でも操作は簡単。システム導入によってレジ前の行列を見かける回数は減少し、待ち時間も大幅に短縮した。顧客満足度は上昇し、9割超の客が利用しているという。
口角泡を飛ばして高尚な戦略論を語る頭でっかちな人事。かたや、労務や採用の最前線で日々、指令を実行するためあくせくしている現場。この両者をうまく結んで、戦略を実行可能な「作戦」にするには何が必要か。この連載ではそれを考えていきます。本格的な戦闘に入る前に、現状を整理しこれから10年間に起きる一番大きな人事・雇用面での変化について書くことにいたします。 前著『人事の組み立て』では、社会と雇用は切っても切れない関係であり、軽々に「欧米型雇用システム」など導入できないことを繰り返し書いてまいりました。一方で、社会の全体の変化に合った時宜を得た雇用改革は、想像以上にスムーズに進みます。 たとえば2015年以降の5年余りの間に、働く風景は大きく変わったことに気づいていますか?直近のコロナ禍でリモートワークやDXが進んだことも一因ですが、それ以上に働き方全体が、かつての日本企業の宿痾(しゅくあ)を取り除
10年で500万人もの産業人口が減る日本で、労働力として存在感を高めつつあるのが外国人就労者。様々な問題が指摘されているが、既に飲食・サービス・流通業大手では欠かせない戦力となり、「留学→新卒採用→永住」のルートも確立している。 ただ、10年で500万人もの産業人口が減る中では、とてもこれだけでは対応しきれないでしょう。そこでいよいよ、「外国人就労」を考えていくことにします。外国人就労については、働く側の外国人への配慮、日本人で働き口がない人への配慮、異文化異慣習と共生することへの社会不安など、さまざまな問題が生じるため、軽々にこの方策を進めることはできません。色々な策を検討した上で、最後の一手として、外国人就労を考えていきます。 200万人!全就業者の3%にもなる外国人就労者 日本は島国で海外との境界がはっきりしており、単一民族国家という誤解がはびこるほど、他民族の流入が限られた社会を形
1990年代半ばから生産年齢人口が減少に転じていたにもかかわらず、衰退産業から成長産業への労働力シフトや、女性、シニアの就業者増でしのいできた日本。だが限界に近付きつつある。特に深刻なのが飲食・サービス産業だ。 ・少子化といえども大学生数は増えており30年前の1.6倍にもなる ・とりわけ、旧帝大・早慶・GMARCH・関関同立など名門校は定員を増やしている ・少子化で定員増だと質的低下が危惧されるが、それも誤り。30年前は確かに学年人口が今の2倍近かったが、産業界と相性の良い四年制総合大学(短大と女子大を除く)への女性進学率は低かった。つまり、人口は2倍いたが、その半分の男性しか受け入れていない状態だった。現在は人口こそ半分になったが、文系ならば上位校でも女性比率が4割になる。そのことを考えれば質も保たれている ・とすると、ホワイトカラー職務なのに「若年人材の質の低下」を叫ぶ企業は、少子化が
無事に運転にこぎ着ければ、世界最大の核融合実験装置の稼働に成功したことになる。核融合実験炉では、フランス南部で稼働の準備が進む日米、EU、中ロなど世界7カ国・地域が参画する国際熱核融合実験炉(ITER)がある。だが、運転開始はJTー60SAより遅い25年の予定。今、世界の核融合炉の関係者が最も注目するのがJT-60SAなのだ。 核融合炉の仕組みをおさらいしよう。炉のなかに燃料となる重水素と三重水素(トリチウム)を閉じ込めるとヘリウムと中性子に変わるが、その過程で核融合反応が生じ膨大なエネルギーを生み出す。太陽内部で起きているのと同じ現象だ。共通点は、原子の中心にある原子核がぶつかり合っている点。核融合炉が「地上の太陽」といわれるゆえんだ。 続きを読む 石油8トン分=1gの水素 石油8トン分=1gの水素 池田所長は大量のエネルギーを生み出せる理由について「原子核同士が反応する核融合反応では(
ロシア産エネルギー資源の禁輸が選択肢から消えない。脱化石エネルギーへのシフトが望まれるが、原発再稼働の展望は開けない。エネルギー資源価格が高騰する中、その先に見えるのは経常収支の悪化だ。これを食い止めるためには少子高齢化を止める必要があるが、そのための原資が化石資源に食われている。みずほ証券の小林俊介チーフエコノミストに聞いた。 (聞き手:森 永輔) お話を伺っていると、長期的には脱化石エネルギーが必要になると考えられます。原発再開が現実解でしょうか。 小林俊介・みずほ証券チーフエコノミスト(以下、小林):原発が本格的かつ全面的に再稼働する可能性は手続きにおいても、政治の文脈においても極めて低いと言わざるを得ません。しかし、選択肢から外すのは現実的ではないと考えます。日本は化石資源に恵まれていないですから、これに依存し続けることはバランスを欠く選択です。 脱化石エネルギーの現実解は原発か
もうかれこれ15年ほど前になるだろうか。 インタビューをする度に、「コーチばかりがベンチに陣取ってる感じ」だの、「口だけ番長だらけで、いやになる」だの、「社員全員の会議の後、管理職会議があるのだけど、ほぼ同じメンバーで、笑うに笑えない」だのという話を聞かされてきた。「いつまで私はペーペー扱いされるんだ」と、会社の高齢化を嘆く30代が山ほどいたのだ。 やがて、その高齢化対策の一環として、役職定年制度が一般化し、希望退職という名のリストラが横行し、“口だけ番長”たちは“群衆の中で息を潜める働かないおじさん”になった。その一方で、「なんか違う」と辞めてしまう若者に手をこまねいていたら、社内の平均年齢だけがどんどん上がり、「シニア社員をなんとかしないと、会社が存続できない!」と危機感を抱く企業が少しずつ増えた。 現場を任せられるのは誰? 本音では(シニア社員には)「できればお引き取り願いたい」。が
(2)伝統的な兼業。セカンドオフィスを持っている専門職の人たち。2つ以上の名刺を持つ日本人は今でも多いだろう。私が知る限り、ほとんどは定年間近か、あるいは既に引退している人が多い印象がある。若い人であれば、フルタイムで仕事をしながら、副業として教授やコンサルタント、研究者をしているケースもある。 (3)総合職の兼業のニュータイプ。給与が高く、仕事量も多い終身雇用の総合職に当たる正社員が携わるような兼業だ。フルタイムで苦労や要求の多い人が、2つ目の仕事をすること。 今日は、この新しい第3のカテゴリーである「総合職の兼業」に注目したい。副業・兼業は、働き方改革の一部となった。各企業は、許可するかどうかを自分で判断し、厚生労働省の「モデル就業規則」を変更して導入している。2018年から可能になり、現在も発展中だ。 「総合職兼業」が新たなイノベーション・エコシステムに 私が最初に米国の人事・組織論
イノベーション物語や企業変革を推進する人材には、利他的な目的を掲げ、できない理由よりもできる可能性に着目し、圧倒的熱量と行動力を伝染させながら人を巻き込む力がある。本著では、これらの人材を「ダイナモ」(dynamo:直接には「発電機」の意)と呼んでいる。 ダイナモは、一言で言えば「元気なヤツ」。著者が会ってきた変革リーダーやイノベーション物語の先頭に立つ人は、ほぼ例外なくダイナモ人材である。彼らの話は面白く、自然とひきつけられる。明るい未来に向かい、できると信じて疑わず、本気度を基に一人称で語り、行動を伴う。聞いている側に直接関係のない話でも、ついつい「お供します!」と言いたくなるような伝染力が、ダイナモにはあるのだ。目的に突き動かされ、分析よりも主観(思い)を大切にし、証明(確かめる)よりも実験(やってみる)を好む。決められたことを決められた通りに実行することは、必ずしも得意ではなかった
2017/06/09 04:12 興味深い視点です。女性が働き、自ら稼ぐ時代になって、それに比例するかのごとく、男性の役割はどんどん小さくなっています。元々、男性の役割とは、女性や子供を守る事が本能的にあるのであって、女性がそれを拒否して自ら働くのであれば、男性は必要ありません。基本的に、男性は、女性や子供の為に働いているのであって、自分の為に働いているわけではないのです。人間の本能として、女性は利己的で、男性は利他的である(生物学的に、男性が出して女性が受け入れる)傾向があると思います。もちろん全ての人に当てはまるわけではないですが、相対的に見れば、理解できると思われます。例えば、アイドルのCDに大金を注ぎ込んだり、風俗や飲み屋に浪費するのも、女性より男性の方が圧倒的に多い(収入に依存する?)と思います。昔であれば、結婚する事によって、歯止めが利いていたのですが、結婚しなくなった現代は異
安倍晋三首相が突然に辞意を表明した直後から、早くも「安倍外交」を回顧し評価する記事が流れ始めた。いずれも急きょ書かれた原稿なのだろう、これらはおおむね、安倍政権の外交を次のように総括している。「強固な日米同盟」「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」「積極的平和主義」を掲げ活発な首脳外交を展開し、「悪化した日米関係を立て直し、同盟を深化させたが、ロシアや北朝鮮など近隣諸国との懸案の解決は進まず、課題が残った」 安全保障面では、「2015年9月に憲法解釈を変更し集団的自衛権行使を可能とする安全保障関連法を成立させ、自衛隊の海外活動を拡大させるなど、防衛面での米国との一体化は進んだ」とし、さらに「16年5月にはバラク・オバマ米大統領(当時)の広島訪問を実現、ドナルド・トランプ大統領とは『蜜月』関係を構築し、G7首脳会議などでトランプ氏と各国との『橋渡し役』も担った」などと書かれている。何のことはない
「日本から出て行け!」「学校をつぶせ!」――。 8月中旬、100人以上のサッカー部員らが新型コロナウイルスに感染した松江市の私立高校には、学校や生徒らを誹謗(ひぼう)中傷する電話や書き込みが80件を超えた。 「感染した社員をクビにしたのか」「従業員の指導がなってない」――。 7月下旬、岩手県で初めてのコロナウイルス感染者となった男性が勤める会社には、県内外から100件近い電話やメールが殺到。インターネット掲示板で社名が取り沙汰されてアクセスが集中し、サーバーが一時ダウンする事態になった。 「なんでこの時期に東京から来るんですか? さっさと帰って下さい! みんなの迷惑になります」――。 8月7日、東京から青森市の実家に帰省した男性を中傷するビラが、玄関先に置かれていた。 男性は8月5日に帰省したが、仕事の関係でPCR検査を2回受けていて、10日前の検査でも陰性だったという。 耳を疑うような罵
今回は感情の赴くままに書く。なので、読んだ方も感情の赴くままに考えて欲しい。 「まず、俺は誰も責める気はない。文句を言うつもりもない。これが差別だとかどうとかそんなの本当にどうでもいい話」 これは6月15日に、東北楽天ゴールデンイーグルスのオコエ瑠偉選手が「自分のものすごく嫌だった過去」を、ツイッターでさらけだした際に、冒頭に書かれていた言葉だ。 オコエ選手が「周りと違うと初めて認識させられた」のは、保育園で先生が「みにくいアヒルの子」を読んでくれたときの周りの子供たちのまなざしだった。うつむき耳をふさぎ、孤独を感じたオコエ選手は、その後も“心が無くなる瞬間”をたびたび経験する。 「親の似顔絵を書くとき、顔は肌色で描きなさいと言われた」 「おまえの家で虫とか食うんだろうと罵られた」 「甲子園に黒人は出るなとか聞こえてきた」……etc.etc 「ここから飛び降りて生まれ変わって、普通の日本人
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く