2016年12月にダス・マガジンに掲載1されたハネス・グラセゲール2とミカエル・クロゲルス3共著の調査記事『世界をひっくり返したデータとは』(『世界』2017年春増刊号に邦訳掲載)をここに再録する。 この記事では、英国のケンブリッジ・アナリティカ社(以下、CA社)が、収集した膨大な個人データを基に、先の米国大統領選に現実的に大きな影響を与えていたことが示唆されている。 その膨大な個人データのかなりの部分が、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)、なかでもフェイスブックから得たユーザーの行動データに基づくものと報告されている。 端的には、有権者の個人情報から一人ひとりの政治志向を判定し、それを基にそれぞれの有権者に合わせた最も効果的な政治キャンペーンを行った、とする。 先駆的な同調査記事のいわば追跡調査として、2018年3月にジャーナリストのキャロル・カドウォラードル4率いる英国の