(英エコノミスト誌 2014年5月3日号) トマ・ピケティ氏の超ベストセラー本は偉大な学術作品だが、政策の手引書としてはお粗末だ。 カール・マルクスの『資本論』の初版が1867年に出版された時、原文のドイツ語版が1000部売れるのに5年かかった。マルクスの『資本論』は20年間英語に翻訳されず、本紙(英エコノミスト)は1907年まで、同著に言及するのが適切だと考えなかった。 それに比べると、トマ・ピケティ氏の『Capital in the Twenty-First Century(21世紀の資本論)』は一夜にして世間を沸かせた。もともとフランス語で出版された(本誌が最初に批評したのは、この時)、所得と富の分配に関する分厚学術書は、3月に英訳版が登場してからベストセラーになった。米国では、フィクションを含め、アマゾンで最もよく売れている本だ。 本書の成功は、適切な時に適切なテーマについて書かれ