東京電力は24日、福島第一原発にたまり続けている高濃度の放射能汚染水を浄化する処理施設について、米キュリオン社の吸着装置が想定の100分の1程度にしか濃度を減らせていなかったと発表した。 装置に不具合は見つかっておらず、東電は「以前の弁の操作ミスで、装置内に高濃度の汚染水が残っていた可能性がある」との見方を示している。ただ、施設全体では目標の濃度に減らせたという。 浄化処理施設は、全体で1万分の1〜100万分の1程度まで濃度を下げると想定している。このうち、米キュリオン社の吸着装置だけで、1千分の1から1万分の1程度まで減らす設計だったが、23日に濃度を調べると、想定の100分の1程度しか減らせていなかった。 ただ、今回の試験で仏アレバ社製の除去装置が好調で1万分の1程度までに下げられた。このため施設全体では、ほぼ想定通りの処理能力を保つ見通しが得られたという。(杉本崇)