世界遺産登録が決まった富士山が、大問題に直面している。近年は中高年の登山ブームで登山者数(7-8月)が30万人前後という異例の高水準で推移しているが、世界遺産効果でさらに激増しそうなのだ。具体的な対策がみつからないまま7月1日の山開きを迎えることに、関係者は戦々恐々としている。 富士山の登山者数は2005年には20万人程度だった。しかし、登山ブームの影響を受け、08年以降は30万人前後で推移。今年は世界遺産登録の効果もあり、8月末までの登山者は昨季を大幅に上回る可能性が高い。標高が国内2位の北岳(3193メートル、山梨)は半年の開山時期で登山者は7万人規模とされる。2カ月で30万人は明らかに異常だ。 ユネスコ諮問機関の国際記念物遺跡会議(イコモス)は、「信仰や芸術の対象とされた富士山の文化的価値を損なう」と、登録によって予想される登山者の増加に懸念を示している。現状でも富士山は初心者や