武雄市の樋渡啓祐市長に市議会一般質問で侮辱され名誉を傷つけられたとして、元市議の男性(83)が市長と市に550万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、佐賀地裁は12日、「発言は首長の裁量の逸脱とまでは言えない」と請求を棄却した。 判決によると、樋渡市長は2011年12月の市議会一般質問で、東日本大震災のがれき受け入れをめぐり、「(受け入れた場合)裁判すれば市長に勝つと言ったと聞いた」と男性を名指しし、「彼はふざけたことを言う」などと答弁した。 波多江真史裁判長は、名指しや「ふざけた」という表現は不適切とする一方、首長の議会答弁は名誉毀損(きそん)があっても内容などを踏まえて違法性が判断されるとし、「発言は個人に対する人格攻撃や権利侵害が大きいとまでは言えず、職務執行の範囲内」と認定した。 男性側は「議会で反論のできない市民を一方的に批判するのは不当」と主張したが、市長は「間違いがあれば陳謝した