プライベート・クラウドは良くないアイデア 米ガートナー ITサービス担当リサーチ・バイスプレジデント ベン・プリング氏 「様々なベンダーがプライベート・クラウド、すなわち社内に構築されたクラウド・コンピューティング環境のソリューションを発表している。だが、あまりに複雑でうんざりしている」---。米ガートナーでITサービスとアウトソーシングのコンサルティングを担当するベン・プリング氏はこう語る。プリング氏に真意を聞いた。(聞き手は、中田 敦=日経コンピュータ) 企業にとってクラウド・コンピューティングのメリットは何か。 自動車を購入するか、リースするかに例えると分かりやすい。米国では私もそうだが、自動車をリースする消費者がとても多い。10年間同じ車を使い続けるならリースするよりも購入した方が安いが、リースなら3年ごとに新しい車を利用できる。消費者がリースを選ぶのは費用面で有利だからではなく、
OracleのSun Microsystems買収が、IT業界史に残る大事件であることは間違いない。SunとIBMの間の買収交渉が決裂したあと、突如として躍り出てきたOracleは、速攻で話をまとめあげ、世界中を驚かせた。この合併の意義と行方については、さまざまな分析が可能で、まさに百家争鳴の状態だ。ここではハードウェアの観点からみてみたい。 Sunの取締役会は、Oracleの買収の受け入れを全会一致で可決したという。Sunの身売りが大きく伝えられて約1カ月。同社を手に入れるのは、盟友でもあるOracleとなりそうだ。買収額は74億ドル(Sunの負債や現金を考慮すると56億ドル)相当という。過去にOracleが買収した、PeopleSoft(103億ドル)やBEA Systems(85億ドル)よりも金額的には低い。 だが、今回は、ちょっと意味が違い、データベースソフトウェアベンダーがハード
日本オラクルが2009年4月22日~24日に開催した「Oracle OpenWorld Tokyo」のビジネスセッション(導入事例)に,NTTドコモ執行役員の西川清二情報システム部長が登場した。 講演テーマは「リアルタイム・マネジメントへのあくなき挑戦」。同社事業の屋台骨となる三つの情報システム「ALADIN」(顧客管理系),「MoBills」(料金計算系),「DREAMS」(社内業務系)を紹介した。いずれも,経営情報をリアルタイムに見ることができることを目指して開発したシステムである。社内での活用例を実際の画面を交えて紹介しながら,導入による効果を解説した。 5400万以上の顧客を抱える同社の情報システムは,巨大な基盤で支えられている。サーバーは1600台,ストレージ容量は5P(ペタ)バイト。ストレージ容量のうち,3PバイトはMobills関連である。 講演の中で西川部長は,「企業の基幹
【第34回】 2009年04月27日 オラクルのサン買収が幕開け クラウドで加速する業界大再編 「サンのスポンサーはIBMではないのか」──。 4月21日、身売り先を探していた米コンピュータ大手のサン・マイクロシステムズの買収に名乗りを上げたのは、米企業向けソフトウエア大手のオラクルだった。4月上旬、買収金額が折り合わず一度破談になったとはいえ、やはり米IBMが本命視されていただけに、業界関係者は一様に驚いた。 サンといえば、かつてはIT業界をリードした企業だった。安価・小型の企業向けワークステーションでメインフレーム(大型汎用コンピュータ)時代を終わらせ、ダウンサイジングのトレンドをつくった。しかし、近年はサーバ市場の競争激化で業績が低迷。米金融危機による企業のIT投資激減で、昨年一二月期まで2四半期連続で純損失を計上していた。 その赤字企業に、オラクルはなぜ74億ドル(約740
日本オラクルは24日、東京国際フォーラムにて開催されている「Oracle Open World」において、オラクル・コーポレーションのデータベース開発総責任者であるチャールズ・フィリップス氏が「お客様を理解し、価値を届ける−エンタープライズ・ソフトウェアのあるべき姿」と題した講演を行なった。 同氏はまず企業の中における情報が爆発的な増加しているが、適切に管理されていないことを指摘した。 「企業内の情報はバラバラなシステムに分散してしまっており、情報の相関関係を調べたりするのが難しい状況になっている。これではいくら膨大な情報があっても、ビジネスに役立つ情報がないということになる。こうした問題を解決するためには、情報に対する適切なアクセス手段が必要」 こうした状況に陥った理由として語られたのは、今までのITシステムの開発のやり方だ。 「ミニコンの時代は、今はない数多くの企業が独自仕様の製品を出
印刷する メールで送る テキスト HTML 電子書籍 PDF ダウンロード テキスト 電子書籍 PDF クリップした記事をMyページから読むことができます Oracle OpenWorld Tokyo最終日の基調講演にはOracleの社長、チャールズ・フィリップス氏が登壇した。 「Complete. Open. Integrated. - Oracle's Strategy to Bring Value to Your Business お客様を理解し、価値を届ける - エンタープライズ・ソフトウェアのあるべき姿」と題し、依然厳しいビジネス環境の下でITには何ができるのか、また、ソフトウェア業界の今後の方向性などについて語り、同社の構想と戦略を紹介した。 正確な情報で判断する企業が勝ち残る フィリップス氏は「情報化時代」について「企業が扱う情報の量は大幅に増大している。ネットワーク環境の進
日本オラクル株式会社では、4月22日からプライベートイベント「Oracle OpenWorld Tokyo 2009」を開催している。最終日となる24日には、米Oracleのチャールズ・フィリップス社長が基調講演に登場。「Complete. Open. Integrated.-Oracle's Strategy to Bring Value to Your Business」と題した基調講演を行っている。 フィリップス社長がまず指摘したのは、「情報量が爆発的に増えていること」。しかし、データ量が急速に伸びているものの、「急激な増加を予想していなかったためにバラバラに位置しており、意志決定や予想に使うことが困難。本当の意味で役に立つ情報がない」という状況を引き起こしてしまった。まさに、情報が増えれば増えるほど問題になる、という状況になってしまったのだ。 しかし、情報は企業にとって必要不可欠な
「独自仕様にこだわり、職人芸でシステムを作る時代は終わった。スタンダードの技術や既存パッケージを活用することで、システムの開発費用は削減できる。企業はビジネスを差異化できるところに集中すべきだ。こうした世界を実現することが我々のミッションであり、そのために企業買収を続けている」。4月24日、東京国際フォーラムで開催中の「Oracle OpenWorld Tokyo」の基調講演で、米オラクルのチャールズ・フィリップス社長(写真)は、企業買収を続ける背景についてこう語った。 米オラクルは過去5年間で55社を買収。4月20日には米サン・マイクロシステムズの買収を発表したばかりだ。サンという名称は出さないものの、「企業買収はあくまでイノベーション(革新)を補完する手段の一つに過ぎない。今週始めに実施した買収のように、顧客に価値を届けるために必要ならば、企業買収を続けていく」とフィリップス社長は明言
「最新のニュースにもあるようにオラクルは業界を変えていく。それがミッションだ」。米オラクルの社長 チャールズ・フィリップス(Charles Phillips)氏は4月24日、都内で開催の「Oracle OpenWorld Tokyo」で講演し、こう述べた。 買収を決めたサン・マイクロシステムズに直接言及することはなかったが、「興味深い買収を今週の初めに発表した」と述べた上で、「買収は今後も継続する。それによって完全なるソリューションを提供できるようになる」と強調した。 独自仕様のカスタムアプリケーションが好まれる日本市場を意識してか、フィリップス氏の講演は、パッケージソフトウェアのメリットを強調する内容が多かった。「最も成功している自動車メーカーはクルマのパーツを少なくし、複数の車種でパーツの共通化を進めている。車種ごとに個別のパーツを作る企業は困難に直面する。ソフトウェア業界も同じだ」と
印刷する メールで送る テキスト HTML 電子書籍 PDF ダウンロード テキスト 電子書籍 PDF クリップした記事をMyページから読むことができます かつては失敗プロジェクトの代名詞のように言われたCRM。しかし、Salesforce.comの台頭もあってか、現在は市場に急速に浸透しつつある。とくにここ最近の不況下では、企業は顧客との良好な関係性を維持し、継続的な売り上げの向上につなげたいと考えている。 今回、Oracle OpenWorld Tokyoの開催に合わせて来日したOracleのCRM製品担当シニア・バイス・プレジデント アンソニー・ライ氏に、グローバルのCRMのトレンドや、Salesforce.comとOracleの戦略の違いなどについて話を聞いた。 国内ユーザーの懸念をオラクルのCRMは払拭できるのか SaaSは市場で認知されつつあっても、日本の顧客は保守的でありSa
「垂直再統合(バーティカル・リインテグレーション)」。米オラクルによる米サン・マイクロシステムズの買収や、米シスコシステムズのサーバー市場参入をこう呼ぶ。専業メーカーによる水平分業のオープンシステム時代は幕を閉じ、メインフレーム時代を彷彿とさせる垂直統合が「再び」やってくるので、統合(インテグレーション)ではなく再統合(リインテグレーション)という言葉を使う。 買収を発表した2009年4月20日の電話会見でラリー・エリソンCEOは、「オラクルは、アプリケーションからディスクまでを統合したシステムを開発できる唯一の企業になる」と豪語した。1977年の創業以来、ソフトウエア専業を貫いてきたオラクルがサンの買収によって、UNIXサーバーやストレージ装置といったハードウエア事業も手に入れる。 【参考記事】[速報]オラクルが74億ドルでサンを買収 クラウドは垂直再統合の最たる姿 実はIT業界を見渡し
オラクルのサン・マイクロシステムズ買収は、大型M&A(企業の合併・買収)に慣れているIT(情報技術)産業界を驚かせた。創業来ほとんどソフトウエア専業でやってきたオラクルが、創業来ほとんどハードウエア専業でやってきたサンを買ったからだ。はたしてこの買収は成功するのか。日経コンピュータの谷島宣之編集長が周囲の記者数人をつかまえ、問い質した。本欄に名前が出ることを好まない記者が増えたため、複数人のコメントがあったものの、発言者をすべて「記者」と表記した。 谷島 サンの身売りを巡っては当初、IBMが名乗りを上げていた。急転直下、オラクルが買い手となったのはなぜか。 記者 価格で折り合わず、いったん物別れになっていたところ、一気にオラクルが話を付けたようですね。びっくりしました。 谷島 そんな経緯は分かっている。なぜ、オラクルなのか。 記者 創業者のラリー・エリソン会長は、「アプリケーションからデー
Heads on: Apple’s Vision Pro delivers a glimpse of the future
印刷する メールで送る テキスト HTML 電子書籍 PDF ダウンロード テキスト 電子書籍 PDF クリップした記事をMyページから読むことができます 4月22日、東京・有楽町の東京国際フォーラムにおいて、日本オラクルとOracle Corporationの共催によるイベント「Oracle OpenWorld Tokyo 2009」が開幕した。会期は24日までの3日間。 米国時間4月20日に発表された、OracleによるSun Microsystemsの買収というビッグニュース直後というタイミングもあってか注目度は高い。開幕初日となる22日の午前中には、基調講演が行われるホール棟の入り口に長蛇の列ができ、開始時間が若干ずれ込むというハプニングもあった。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く