夫が下した苦渋の決断で生命維持装置を取り外された32歳の女性がなかなか息を引き取らず、やがて普通に会話を始める 今年の6月6日のこと、米国オクラホマ州で配管工事請負業を営むライアン・フィンリーさん(31歳)は苦渋の決断を迫られていた。妻ジルさん(32歳)が自発呼吸を停止してから11日目に入っていた。オクラホマ心臓病院に救急搬送された日から一度も意識を回復することなく、昏睡が続いていた。彼女の命は、人工呼吸器などの生命維持装置で辛うじてこの世に繋ぎ止められているにすぎなかった。 妻ジルさんが突然の心肺停止に至ったのは、5月26日のことだった。その日の朝、夫ライアンさんは、ジルさんが目を覚まさないことに気づいた。体を揺すってみても目を覚まそうとしない。だが眠っているのでもなかった。ジルさんは、呼吸をしていなかったのだ。 ライアンさんは10年前に受けたCPR(心肺蘇生術)講座の記憶の糸を手繰り寄