今年の5月末頃、渋谷のシダックス本社に、大手カラオケ会社の幹部が集まった。会の主催者はカラオケを含むシダックスの不採算事業処理を統括する遠山秀徳副会長。「これだけのメンバーが顔をそろえるのは数年ぶりではないか」(遠山氏)という顔ぶれだった。 会合のテーマは、シダックス自身で運営するのが難しくなったカラオケ店舗を、”誰が、いくらで、どの程度引き取るか”というものだった。参加した社の中には「自分で作ったら億単位の費用がかかる。転借して店舗も安く買えるならありがたい」と、喜びを隠しきれなかった幹部もいたという。 足を引っ張ってきたカラオケ事業 全国展開するカラオケチェーンの草分けであるシダックスのカラオケ事業が苦戦している。前2015年度決算では、カラオケ事業の資産を減損したことで、71億円もの最終赤字に転落。2016年4~9月期も34億円の最終赤字を計上、カラオケ店は合計で78店舗という大量閉