こんな状態、いやだ。 長年の懸案だった本の整理。本棚をあふれ出して、床につみあげてゆくのはほこりがたまりやすく、乱雑で不快だ。ここは一丁、本を捨てようかという気持ちがわいてきた。 だいたい私はほとんど本を読み返さない。感銘した本でも読み返すことはめったにない。記憶力はよくなく、読んだ本の内容を忘れていることも多いのだが、どうも私に再読の習慣がないようだ。だから私の文章では人の意見の引用や、だれかれはこういうことをいっていたという文章を書くのが苦手である。というよりか、覚えていない(笑)。記憶のひきだしをひっぱり出すのもうまくない。 本棚にずらりと本をならべるのは、哲学者や学者の書斎のように壁一面に蔵書がならぶ書棚にあこがれたからだ。なにかそれはステータスや自分に図書館がそなわっているようなインテリの気分をかもしだしたものである。といっても私はその蔵書の多くを覚えているわけでもないし、タイミ