わたしはあたたかいラーメンを待っていた。両国には商業施設もあるが、お隣の錦糸町よりは繁華でない。終電近くの時間帯に駅前のラーメン屋に入るのはだいたい帰途にある住民である。そんなだから、見知らぬ者同士ながら、店の中には何となく連帯感が漂っている。わたしの隣の席の白髪の男性はラーメンに半チャーハンをつけてむっしゃむっしゃ食べている。斜め向かいの青年はビールだけを飲んでいる。ほどなくわたしのラーメンが来た。わたしの丼を置いた女性店員はそのまま別の客の会計に行った。 おい、どうしてくれんだよ。 会計をしていたスーツ姿の男性が怒鳴った。おまえこれどうすんだよ、ぼったくりじゃねえかよ、え? ああ? おまえどう責任とんだよ、え? 俺の日本語わかってんの? おまえみたいなのに日本のカネさわる資格なんかねーんだよ、てめえ、店員呼んでこい、店員、てめえじゃ話になんねーの、ちゃんとした人間の店員呼べよ、ワカリマ
![JR両国駅前24時30分の和平 - 傘をひらいて、空を](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/06a15c64ba0ceec233d86d71001ebb29a9dcbf5d/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn.blog.st-hatena.com%2Fimages%2Ftheme%2Fog-image-1500.png)