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ブックマーク / www.10plus1.jp (17)

  • 社会と建築をつなぐ「もうひとつの詩」(吉村靖孝『ビヘイヴィアとプロトコル』書評)

    昨春のこと。建築誌『新建築』4月号の小特集として若手建築家のプロジェクトを紹介する企画が進められていた。僕も参加することになっていて、事務所では新しいプロジェクトをプレゼンテーションする素材を用意していたのだが、締め切り直前の3/11に東日大震災が発生した。急遽雑誌の巻頭ページは被災地の現地レポートに差し替えられることになったが、若手建築家のプロジェクト特集は予定どおり掲載されることになった。 しばらくして『新建築』が事務所に届いた。パラパラと眺めてみると、僕を含めた建築家全員が当たり前のように進行中のプロジェクトを並べるなか、吉村靖孝のページだけがまったく違った様相を示していた。被災者に向けて、《CCハウス》(著作権を保持しながら同一性保持権を放棄する吉村のプロジェクト)の実施図面を無料配布するというプレゼンテーションをしていたのである。僕はとても驚いた。おそらく震災後わずか数日で、そ

    社会と建築をつなぐ「もうひとつの詩」(吉村靖孝『ビヘイヴィアとプロトコル』書評)
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    junpe1 2012/11/10
  • 伊東豊雄インタヴュー──伊東建築塾の1年、「みんな」で考えるこれからの建築

    震災復興に向けて隈研吾、妹島和世、山理顕、内藤廣と結成した「帰心の会」や、仙台を皮切りにいくつかの施設が実現しつつある「みんなの家」。こうした伊東豊雄による復興支援活動についてつねづね不思議に感じていたのは、プロジェクトのネーミングや成果物のヴィジュアルから受ける"正直"さだった。伝わってくるのは建物の形以前に人と人とのつながりを大事にしようという意志なのだが、伊東はそれを、かなり戦略的に前面に打ち出しているのではないだろうか。その疑問をインタヴューのなかで投げかけてみたところ、伊東からは「あえてやっている」という回答があった。建築界からの批判は織り込み済みで、コミュニティという言葉を使い、復興計画に合掌造のシンボリックな案を出しているというのだ。伊東はあえて"正直"にふるまうことで、建築家たちをあおっている。なるほど、これは教育なのだ。そうわかれば、建築家らしからぬデザインやネーミング

    伊東豊雄インタヴュー──伊東建築塾の1年、「みんな」で考えるこれからの建築
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    junpe1 2012/04/08
  • 対談:転換期における建築家の存在、歴史家の役割

    由晴氏、中谷礼仁氏 司会──2009年の年末に、塚由晴さんと中谷礼仁さんに「ゼロ年代の建築的状況をふりかえり、現在とこれからを考える(極私的に。)」と題して対話をしていただきました。今日はその第2回めを開催する運びになりました。特に今年は世界史的な災害を経験するなかで、塚さんはアーキエイドの活動を通じて三陸復興プログラムを描き、中谷さんは「古凡村」の研究を通して防災学の体系をつくろうとされています。そのほか、アトリエ・ワンによる「みやしたこうえん」がオープンしたのも今年4月のことでしたし、中谷さんは2年間務めた『建築雑誌』の編集長という大役を終えられようとしています。まずは再び建築・都市を考えるための今後のヴィジョンについてお話いただきたいと思います。 「みやしたこうえん」で考えたこと 中谷礼仁──塚さん、「みやしたこうえん」の諸々のプロセスはオフレコじゃないですよね? みやした

    対談:転換期における建築家の存在、歴史家の役割
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    junpe1 2012/03/06
  • 日本の建築のつくり方

    佐藤淳──私は木村俊彦構造設計事務所に4年半ほど勤めて独立しました。木村俊彦さんは一昨年亡くなられましたが、渡辺邦夫さん、新谷眞人さん、佐々木睦朗さんなど、木村事務所出身の先輩たちが大活躍しています。木村さんのことをご存じない方も多くなってきているのですが、個人の構造事務所が建築家とコラボレーションして建築をつくるというスタイルを確立させたことをぜひ知っておいてほしいと思います。 私は木村事務所の最後のスタッフで、独立して10年経ちましたが、現場の進め方、建築家とのやり取りなど、いまだに木村事務所のやり方が染み付いているなと感じます。今日はそんな、私の設計手法をご紹介します。日の建築のつくり方にはよい部分がたくさんあります。海外メディアから取材を受けることも多く、日の建築家と構造エンジニアのコラボレーションが注目されています。両者が同じ建築学科で学ぶという状況は世界的にみれば特殊ですが

    日本の建築のつくり方
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    junpe1 2011/03/31
  • 建築の経験/写真の経験

    たくさんの写真を撮ること 松原慈──新津保さんには、私たちが会場構成をてがけた日科学未来館での展覧会「'おいしく、べる'の科学展」の会場を撮影していただきました。まずはじめに、どうやって撮影していったのかを教えてください。 新津保建秀──この展覧会を記録するときに意識していたのは、空間を一枚の絵で断定するのではなく、過渡的な状態で提示しようということです。 最初(午前中)は記録だからきちんと撮らなくてはいけないなと思って、しっかり水平をとってのちに資料としても成立するようにと、いわゆる建築写真的な造形上のセオリーをかなり意識していました。ただ、午前中に撮影してみて非常につかみどころがない空間だった。となると強度の高い一枚の画像で断定するのではなく、断片の集積によるとりとめのない流れのなかでとらえていったほうがよいと考えました。そこで普段行なっているようにある程度自分の勘にまかせて撮って

    建築の経験/写真の経験
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    junpe1 2010/12/18
  • 建築の「大きさ」とはなにか?

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    junpe1 2010/12/03
  • 10+1 web site|テンプラスワン・ウェブサイト

    10+1 website|テンプラスワン・ウェブサイト LIXIL出版 LIXIL ANNOUNCEMENT PICK UP SERIAL PHOTO ARCHIVES PROJECT ARCHITECTURAL INFORMATION NAME INDEX 10+1 DATABASE GENERAL CONTENTS 2020 2020 03 [最終号]建築・都市、そして言論・批評の未来 独立した美術・批評の場を創出するために |五十嵐太郎+鷲田めるろ いまこそ「トランスディシプリナリティ」の実践としてのメディアを ──経験知、生活知の統合をめざして |南後由和+貝島桃代 リサーチとデザイン ──ネットワークの海で建築(家)の主体性と政治性を問う |青井哲人+連勇太朗 PICK UP 建築の概念の拡張 |石上純也+田根剛 2020 01 建築の漸進的展開 グラデュアリズム──ネットワーク

  • 書評:今こそ生態学的批評性を!

    fig.1──アトリエ・ワン 『空間の響き/響きの空間』 アトリエ・ワンの『空間の響き/響きの空間』[fig.1]は、ヒトという生き物の面倒臭さを別の力に変換するための知性と技の宝庫である。書にいたるまでのプロセスでアトリエ・ワンが公にしてきた『メイド・イン・トーキョー』(鹿島出版会、2001)、『ペット・アーキテクチャー・ガイドブック』(ワールドフォトプレス、2001)、『「小さな家」の気づき』(王国社、2003)、『アトリエ・ワン・フロム・ポスト・バブル・シティ』(INAX出版、2006)[fig.2]などの調査・研究活動は、単体としての魅力に乏しい狭小建築=「ダメ建築」が密集する「トーキョー」の猥雑さを面白がり、より有効に活用するために提案された「環境の読み方」だった。書には、こうしたこれまでの彼らの試み、そして彼らの実作品を支える発想の凝縮されたエッセンスが、ヒトという生き物の

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  • 建築史のフロンティアを求めて──建築教育は何をめざすのか?

    藤森照信とその時代 2010年3月16日、藤森照信さんが東京大学生産技術研究所での最終講義を行なった。現在日で最も著名な建築家のひとりであるものの、最終講義では、日近代建築史研究の黎明期を巧みな話術で語って、生産技術研究所大ホールいっぱいの観衆を大いに沸かせた。だが、その話のなかでぼくが記憶に残ったのは、やっと東大を「卒業した」という安堵感と、そして、東大建築学科が保持していた、歴史に裏打ちされた自信と穏やかさ、和やかさに満ちた最盛期への崇敬と感謝の念であった。 先代の村松貞次郎先生が退任されたのが1985年、それから四半世紀、藤森さんの在職の最後のほうで、ぼくが助教授、教授へと昇任したとは言え、生産技術研究所(以下、生研)の建築史講座は、藤森照信さんを中心に回っている。東大で言えば、郷でも、稲垣栄三先生がほぼ同じ時期に退任し、2009年3月までの間、鈴木博之氏が建築史講座を仕切った

    建築史のフロンティアを求めて──建築教育は何をめざすのか?
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    junpe1 2010/07/05
  • Villa Giulia

    最終回 フィレンツェのミケランジェロ建築[79点収録] [撮影者:菅野裕子(横浜国立大学大学院特別研究教員)] 199 インドのバンガロー [撮影者:土岐文乃(東北大学助教)+宮原真美子(日女子大学助教)] 198 西河村の伝統的風景 [撮影者:前田冴(東北大学大学院)] 197 ネパールの現状と被災状況 [撮影者:吉川彰布(一般社団法人ヒトレン)] 196 インド [撮影者:吉川尚哉(東北大学大学院)+川崎光克(東京大学大学院)] 195 あいち建築──名古屋スリバチ学会編 [撮影者:水野晶彦(名古屋スリバチ学会)] 194 あいちトリエンナーレ2016 [撮影者:水野晶彦(あい撮りカメラ部)] 193 エチオピア [撮影者:松宮かおる(Architect/株式会社毛利建築設計事務所海外設計部)] 192 スリランカ [撮影者:田中良平(東北大学大学院)+楠田博子(東北大学大学院修了)

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    junpe1 2010/06/29
  • ゼロ年代の都市・建築・言葉 アンケート

    assistant有山宙松原慈天内大樹池田剛介伊藤亜紗大山エンリコイサム荻上チキ木内俊克小林恵吾志岐豊平昌子勝矢武之戸田穣中川純中村竜治永山祐子南後由和濱野智史林憲吾平瀬有人福住廉藤村龍至保坂健二朗光岡寿郎村上祐資柳原照弘鷲田めるろアシュレイ・ローリングス assistant 有山宙assistant 松原慈天内大樹池田剛介伊藤亜紗大山エンリコイサム荻上チキ木内俊克小林恵吾志岐豊平昌子勝矢武之戸田穣中川純中村竜治永山祐子南後由和濱野智史林憲吾平瀬有人福住廉藤村龍至保坂健二朗光岡寿郎村上祐資柳原照弘鷲田めるろアシュレイ・ローリングス ゼロ年代の都市や建築を語るうえで、参照すべき──重要だと思われる──建築作 品・言葉・書物・映像・メデイア・出来事などをあげ、それについてコメントしてください。 有山宙(建築家/assistant) Banksy(グラフィティ・アーティスト)そしてParis H

    ゼロ年代の都市・建築・言葉 アンケート
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    junpe1 2010/01/20
  • 対談:ゼロ年代の建築的状況をふりかえり、現在とこれからを考える(極私的に。)

    中谷礼仁氏、塚由晴氏 になっている──アトリエ・ワン『空間の響き/響きの空間』 司会──今日は塚由晴さんと中谷礼仁さんに、2000年代、いわゆるゼロ年代の10年間についてそれぞれご自身の活動振り返りをしながら、さらにこの先建築がどうなっていくか、都市がどうなっていくのかについて討議していただきます。ちなみに、10月の半ばにINAX出版から、アトリエ・ワンの『空間の響き/響きの空間』が刊行され、また、中谷さんも来年から『建築雑誌』(日建築学会)の編集長をなさるということです。それらについても触れながら、進めていただければ幸いです。 中谷──『空間の響き/響きの空間』は「になっている」という感じがしました。このは塚さんがこれまでしてきたことに対してすこし反省(自らをかえりみる)的な記述になっている。という形式に落とし込むときに重要なのは、いったん自分の作業を振り返ることだと思

    対談:ゼロ年代の建築的状況をふりかえり、現在とこれからを考える(極私的に。)
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    junpe1 2009/12/27
  • 建築系ラジオ r4 現代建築を語る・聞く・読む

    若手建築家による建築論〈4〉 ヘルツォーク&ド・ムーロンと青木淳と藤壮介 勝矢武之+岡村裕次+藤原徹平+田中知博+松田達 2010年10月16日 東京都渋谷区某所 MP3 8.1MB 16'50'' 松田──青木さんは確かに表層的なところはあるかもしれない。でも、さっきの勝矢さんの話しは気になったのですが......青木さんの建築では、二次元と三次元が等価に扱われているような気がするんですよ。例えばヴィトンでも、ファサードから建築をつくり上げていくという方法と、空間そのものをつくっていくというくみ上げ方が、同時存在しているというのがすごく不思議で...... 出演者プロフィール 勝矢武之 1976年生まれ。1998年京都大学建築学科卒業。2000年同大学院修士課程修了。現在、日建設計勤務。 岡村裕次 1973年三重県生まれ。1997年横浜国立大学工学部建設学科建築学コース卒業。1998年

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    junpe1 2009/02/20
  • 10+1 web site:美術館研究──8[蔵屋美香+青木淳]

    青木──とはいえ、どういう道筋を経ることになるかわかりませんけれど、きっとこれからの日で、いままでの美術館とは違うかたちの美術環境が生まれてくるような気もします。 蔵屋──美術館という組織を飛び出して、もっと自由に美術を考えるために、NPOや個人事務所を立ち上げる人が今後いっそう増えていくだろうという実感があります。美術館という組織の大きな転換期にあって、自明のものだと思っていたさまざまな前提が崩れていく。そのなかで、現状の組織を冷静に眺め、その仕組みの中ではもはやできないことがたくさんあることに、皆が気づきやすくなっているのではないでしょうか。 青木──組織的なところでは、たしかにやれることが頭打ちにはなりますね。 蔵屋──組織に残ってそうした状況を打破するか、組織を飛び出してしまうのか、どちらを選ぶかは自分の判断ですよね。ただ、実際にはNPOなどの組織で経済的に苦しいところも多いと聞

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    junpe1 2008/06/23
  • 世界建築レポート[4] SWISS MADE──新たなるインテリアスケープへ

  • 遅ればせながら「21世紀の『共産党宣言』」を論ずる書評

    アントニオ・ネグリ+マイケル・ハート『〈帝国〉』 2003年1月発行 以文社 定価:体5,600円+税 ISBN4753102246 579頁 まず、今年のはじめのほうに出たなので、書評としてはいささか遅きに失していることをお断りしておきたい。それに政治思想および現代世界論であって、欄の主旨である建築や都市計画関連のではない(あとにも触れるが、公共領域の変容とかをマイク・デイヴィスのなどを引きながら論じてはいるが)。しかし、この連載をはじめるにあたって編集部から示唆されたでもあり(ここまで延びたのは読む暇がなかった書評者の怠慢である)、何より『10+1』誌で私が連載をはじめた「グローバリズム」にはもろに「被って」いる。こういう分野では稀な、刊行前から話題を呼んでいた全世界的なベストセラーである。読んでおかないと話にならない、らしい。ということで遅まきながら読んだ次第である。

    遅ればせながら「21世紀の『共産党宣言』」を論ずる書評
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    junpe1 2007/10/13
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