オーストラリアに生息するオオニワシドリのオスは、手の込んだ劇場を作って自分の体をより大きく見せ、訪れたメスに対してアピールしているようだ。(GRAPHIC BY TAYLOR MAGGIACOMO) 目の錯覚が起きるのは、私たちが現実をそのまま受け止めるのではなく、積極的に解釈しているからだ。目が光を正確にとらえていても、時に脳が誤ってしまうこともある。知覚は必ずしも現実と一致しているとは限らない。 科学者は何十年もの間、錯覚を利用して人間の視覚の根底にある認知や心理の過程を探ってきた。そして最近では、人間以外の動物も、様々な種類の錯視(視覚における錯覚)を体験したり作ったりできるという証拠が得られている。(参考記事:「錯視から入る不思議な知覚の世界」) 人間や動物の脳のどの部分で錯視が起きるのかを理解すれば、人間だけでなく、動物たちが世界をどう知覚しているのかを理解する助けになるだろう。