清水建設が仙台市内で20年以上前に施工したマンションで、構造スリットの不具合が明らかになった。構造スリットとは、柱と壁、壁と床などを構造的に分離して地震時の損傷を防ぐために設ける「隙間」のことだ。2024年6月に同社が調査した結果、少なくとも74カ所でスリットが存在せず、3カ所で施工不良が見つかった。 仙台市は、清水建設に対し原因の究明や安全性の確認を求めている。24年7月16日の定例会見で郡和子市長が明かした。同市建築指導課指導係によると、清水建設が市内で施工したマンションは28棟あり、当該物件以外では「同様の問題は無い」との報告を受けたという。 問題発覚のきっかけとなったのは、当該マンションの管理組合による自主的な調査だ。24年2月、管理組合がAMT一級建築士事務所(東京都八王子市、以下AMT)に調査を依頼。外壁の目地をはつるなどして調べたところ、竣工図通りにスリットが入っていないこと