「前の職場は酷かった。最低でも週1で課内の飲み会があったんだ。平日でも終電まで飲むのは当たり前。金曜は9割方朝までだ。この悪習の一番の推進者は課長だった。終電間近に帰ろうとする部下を腕をつかんで連れていく。やめてといって聞くような男ではなかった。その癖いざ店に入るとぐったりして寝る始末だ。 俺も毎回飲み会に参加させられた。特に週末は課長と上司に無理やり飲まされ、記憶を無くすこともしばしばだった。上司は泥酔した俺をタクシーに乗せて家まで帰すらしく、気がつくと自室のベッド、あるいは玄関先だった。俺は怒り心頭だった。 ある土曜の早朝、駅前近くの路上で目が覚めた時、俺はついに決意した。 数週間後、飲み屋の3次会で、俺は酔った振りをして暴れた。机をひっくり返し、課長にビール瓶を投げつけ、課長と一緒に飲みに行く常連の上司の頭を足蹴にし、押さえつけようとする同僚も殴った。 俺は「泥酔して錯乱しているふり