今、やろうとしている試験的取り出しというのは、格納容器の底に貯まっている燃料デブリを試しに拾い上げてみようというもの。他方で本格的取り出しのやり方は決まっていない。 本格的取り出しともなれば、燃料デブリの塊を取り出さなければならない。本来であれば、原子炉圧力容器や格納容器に水を張ったうえで、それらの上部から装置を入れて取り出すやり方が合理的だ。 ■本格的取り出し着手は2050年頃 ――原賠機構が示した案では、格納容器の上部から取り出す方法のほかに、横から装置を入れる方法も示されています。また、原子炉建屋を新たに「船殻構造体」と呼ぶ構造物で覆い、水に漬けた状態で取り出すという大がかりな「冠水工法」も案として上がっています。 格納容器の横から装置を入れた場合、その上部の圧力容器内に残っているデブリの取り出しをどうするのかという問題がある。格納容器を構造物で覆う方法は前例のない、きわめて大がかり