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  • 『怪物』に性的マイノリティの子どもたちは救えるのか。「美しい物語」が見えづらくさせたもの | CINRA

    映画監督の是枝裕和、脚家・坂元裕二が手がけた映画『怪物』。少年2人の親密な関係性と周囲を取り巻く人々を描いた作は『第76回カンヌ国際映画祭』でクィア・パルム賞を日映画として初めて受賞し、審査員長のジョン・キャメロン・ミッチェル(『ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチ』など)は「この美しく構成された物語は、クィアの人々、馴染むことができない人々、あるいは世界に拒まれているすべての人々に力強い慰めを与え、そして命を救うことになる」と評した。 日映画史、クィア映画史を専門とする久保豊は、「痛み」と「美しさ」が共在する作の巧みな描写は、むしろ少年たちに痛みを生じさせる構造的な問題の所在を見えづらくさせると指摘する。作は性的マイノリティの子どもたちをどう描いたのか。 2020年に早稲田大学坪内博士記念演劇博物館で開催した企画展『Inside/Out──映像文化LGBTQ+』をキュレー

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  • 「五輪ファースト」の排除の歴史 記録映画『東京オリンピック2017』8月公開 | CINRA

    映画『東京オリンピック2017 都営霞ヶ丘アパート』が8月13日から東京・アップリンク吉祥寺ほか全国で公開される。 『東京ドキュメンタリー映画祭2020』特別賞を受賞した同作は、国立競技場に隣接する都営霞ヶ丘アパートから強制退去させられた住民の2014年から2017年にかけての記録を通して、「五輪ファースト」の陰で繰り返される排除の歴史を映し出すドキュメンタリー。慎ましい生活や団地のコミュニティーの有り様、有志による東京都、五輪担当大臣への要望書提出や記者会見の様子などを捉えている。 1964年東京オリンピック開発の一環で建てられた都営霞ヶ丘アパートは、住民の平均年齢が65歳以上の高齢者団地。2012年に東京都から「移転のお願い」が届き、2020年東京オリンピックの開催に伴う再開発によって2016年から2017年にかけて取り壊された。 監督、撮影、編集を務めたのは、同作が初の劇場監督作品と

    「五輪ファースト」の排除の歴史 記録映画『東京オリンピック2017』8月公開 | CINRA
  • 井浦新、瑛太ら318人が「愛とセックス」を語る『東京グラフィティ』特集 | CINRA

    特集記事「TOKYO SEX~318人が話す、当のこと~」が、日11月22日刊行の『東京グラフィティ 12月号』に掲載されている。 同特集では、318人に聞いた「愛とセックス」についてのエピソードを掲載。巻頭インタビュー「井浦新×瑛太 動物的であることを巡る映画の話」では井浦新と瑛太が大森立嗣監督の映画『光』に絡めてセックスについて語っている。 また特集内の記事では、カンパニー松尾が「私が出会った人生最高の映画」として『さらば青春の光』、松居大悟が「私が出会った人生最高の」として又吉直樹『劇場』について語る。 さらに実際のカップルへのインタビューには、大学の同級生カップルから職場恋愛のカップル、23年間の音信不通を経て結婚した国際カップル、複数の人と恋愛関係を築くポリアモリー、ゲイのカップル、Tinderで出会ったカップルなど10組がヌードで登場。20歳から69歳までの21人が「パー

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  • 複数の人と合意の上で愛の関係を築く「ポリアモリー」描く舞台 | CINRA

    『マグカル・シアター in KAAT 趣向「THE GAME OF POLYAMORY LIFE」』が、1月21日から神奈川・横浜のKAAT神奈川芸術劇場で上演される。 劇作家のオノマリコによる一人演劇ユニット「趣向」による同作は、関係者の合意の上で複数の人と恋愛関係を築くライフスタイル「ポリアモリー」を題材にした物語。複数の人と愛の関係を持つ人々の日常と、複数の人を愛する上で発生する苦しみや美しさを描く。 戯曲はオノマ が担当。演出を桐山知也、監修を平凡社から刊行されている『ポリアモリー 複数の愛を生きる』の著者・深海菊絵が担当している。チケットは現在販売中だ。 なお同公演は、神奈川県立青少年センターが1つの団体にKAAT神奈川芸術劇場での上演機会を提供する「マグカル・シアター in KAAT」に趣向が選ばれたことから実現。神奈川県立青少年センターでは年間を通じて、若者に演劇やダンス、音

    複数の人と合意の上で愛の関係を築く「ポリアモリー」描く舞台 | CINRA
  • なぜ『逃げ恥』『カルテット』は人気を得た?TBS土井裕泰が語る | CINRA

    のエンターテイメント業界の最前線で戦い続ける人物に話を聞く連載『ギョーカイ列伝』。第10弾に登場するのは、『逃げるは恥だが役に立つ』や『カルテット』など、人気ドラマの演出 / チーフプロデューサー(『カルテット』のみ)を務めたTBSテレビの土井裕泰。 漫画原作を新垣結衣、星野源ら出演で見事テレビドラマに昇華し、「恋ダンス」が社会現象にもなった『逃げ恥』。先の読めないストーリー展開と軽妙な会話が熱狂的なファンを生み、椎名林檎の主題歌を俳優陣が歌うタイトルバックも印象的だった『カルテット』。どちらもSNSなどを通じて爆発的な話題を呼んだが、その成功の要因はどこにあったのか? 1990年代からドラマのディレクターを務め、『愛していると言ってくれ』や『ビューティフルライフ』などのヒット作にも携わってきた土井は、「時代が一周して、ベーシックに立ち返る時期に来ている」と語る。それはテレビ業界のみな

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  • 来日中のビョークが語る本音「今の時代の変化を歓迎しているの」 | CINRA

    6月29日から日科学未来館で開催されるVR(バーチャルリアリティー)音楽体験展示プロジェクト『Björk Digital―音楽VR・18日間の実験』のために来日しているビョークに、対面で直接話を訊く貴重な機会を得ることができた。 真っ赤なボディースーツに真っ赤なフワフワした飾りのついた普段着(!)に身を包み、筆者が座っていたソファーの端にちょんと腰掛けた、相変わらず妖精のような容姿と仕草のビョーク。その周囲には、非現実的な空気が漂っていたが、いざ話を始めると極めて現実的で具体的。恐ろしいほどの頭の回転の速さと率直さで、筆者の質問にすべて答えてくれた。その会話の内容は、今回の展示『Björk Digital』と、そのベースとなった昨年のアルバム『Vulnicura』の話にとどまらず、自身のキャリアを総括するような音楽論から、2016年の音楽シーンの話まで多岐にわたった。 アーティストとい

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  • 鈴木理策に学ぶ、安心できないくらい「美しい」写真を撮る方法 | CINRA

    大判カメラで鮮やかに撮影、現像された、聖地・熊野の山河や、咲き誇る桜、一面の銀世界。レンズを通して生まれる鮮明さとボケの織りなす妙も、観る者をその世界に引き込む――。しかし、鈴木理策の写真は、同じような「わかりやすい」対象を写した優等生的な「美しい写真」とは異質の何かを、常にこちらに投げかけてきた。そこで、東京オペラシティ アートギャラリーで開催中の大規模個展『鈴木理策写真展 意識の流れ』を訪ね、「『見るということ』そのものを提示したい」という写真家の真意、またそこへ辿り着くまでの軌跡をじっくり聞いた。その異質な「美しさ」の秘密を、ぜひ知ってほしい。 写真を見ることって、今いるのとは違う場所・時間を見ることだから、基的に落ち着かない気分になるはず。 ―今回の個展は、鈴木さんのライフワークと言える熊野の自然をとらえた『海と山のあいだ』、雪景色の『White』、咲き誇る『SAKURA』などの

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  • なぜKISSは、ももいろクロ―バーZと対等にコラボすることを選んだのか? | CINRA

    ロックレジェンドが日市場で人気を取り戻す方法 KISSのライブでは、観客の多くがとても完璧とは言えない白塗りメイクを施して参戦してくるのが恒例だ。この日も、スーツ姿のジーン・シモンズ(Vo,Ba)が「明日の午後イチまでにはなんとか……」と携帯で平謝りし、ポール・スタンレー(Vo,Gt)同士の母娘がエスカレーターを上ってきては対向して下る人たちを驚かせている。東京ドーム近くのフードコートでは、トミー・セイヤー(Gt)がトッピングのネギを山盛りにしてうどんをすすっていた。街の風景にちっとも溶け込めていないKISSメイクを発見する度に、ライブへの期待感が高まっていく。 デビュー40周年、1年半振り11度目の来日公演は、ももいろクローバーZとのコラボシングルに端を発した露出が目立ったこともあり、やたらと特別な立ち位置での公演のように宣伝されたが、蓋を開けてみれば、ただただ楽しくてたまらない「いつ

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  • 乱交パーティーに渦巻く欲望、ポツドール三浦大輔監督の映画『愛の渦』から予告編 | CINRA

    乱交パーティーに集う人々の人間模様を描いた映画『愛の渦』が、2014年3月1日から東京・テアトル新宿ほかで公開される。 『愛の渦』は、演劇ユニット「ポツドール」を主宰する劇作家・三浦大輔の代表作で、2006年に『第50回岸田國士戯曲賞』を受賞した作品。映画版では三浦自らがメガホンをとり、都会の一室で営まれる乱交パーティーに渦巻く性欲と、それに伴って発露する感情に振り回される人間の滑稽さや切なさ、むき出しの人間の姿が描かれる。また、上映時間123分間の中で着衣しているのが18分間のみという過激な内容になっており、脚映画用に新たに書き下ろされている。 親の仕送りを使って乱交パーティーに参加するニート役を池松壮亮、地味で真面目そうな容姿ながら性欲が強い女子大生役には、三浦監督が存在感に惚れ込んだという門脇麦が演じる。さらにキャストには新井浩文、滝藤賢一、田中哲司、窪塚洋介らが名を連ねている。

    乱交パーティーに渦巻く欲望、ポツドール三浦大輔監督の映画『愛の渦』から予告編 | CINRA
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