7日、台北市内で開かれた討論会冒頭、「抗日戦争」の意義について談話を発表する台湾の馬英九総統(田中靖人撮影) 【台北=田中靖人】台湾の馬英九総統は、日中戦争の発端となった盧溝橋事件から78年となった7日、台北市内で行われた「抗日戦争勝利70周年」を記念する討論会で演説した。馬氏は「中華民国」が日中戦争に勝利した意義を改めて強調したが、世論と中国、日本の三方の顔色をうかがう迷走ぶりが目立っている。 馬氏は、国民党と中国共産党の内戦や東西冷戦の陰で、「中華民国が抗日戦で流した血と涙や、第二次大戦への貢献が忘れられていた」と訴えた。 討論会の出席者約300人には、旧日本軍支那派遣軍が南京で国民党軍に降伏した際の文書など、台湾当局が所蔵する史料のコピーが配られた。 国際的な地位向上や、戦後の中国国民党による台湾統治の正当化、何より日中戦争の主役が国民党であったことをアピールしたい馬政権は、中国と競