第二次大戦の終戦から70年たった今も、日本人戦没者全体の半数近い113万人分の遺骨が外地に取り残され、収容活動は民間団体頼みだ。一方、戦勝国・米国には専門機関があり、各地で遺骨収集に取り組んでいる。9月、大戦の激戦地・ガダルカナル島(ソロモン諸島)で行われる米国の遺骨収集の活動地に足を踏み入れると、規模や緻密さの面で際立つ違いを目の当たりにした。国から求められ、国のために戦った兵士たちの「明暗」を感じずにはいられなかった。(池田祥子) まるで軍の兵站基地 深さ100メートルの擂鉢状の谷間は、まるで軍の兵站基地のようだった。 鬱蒼(うっそう)とした密林は跡形もなく伐採され、丸太で作った階段が整地された谷底まで続く。ブランコのように動いて土砂と遺骨、遺留品を仕分ける大型のふるいが設置され、頑丈な小屋や近くの水源地からホースで水を引いた水場などが完備されていた。 米兵の指揮下で、現地住民が計画的