<敵国の民間人より米軍兵士の命、戦争の早期終結のために核も容認――。アメリカ人の本音は「あの頃」のまま> 長距離ミサイルの発射実験を続けるなら北朝鮮は「世界が見たこともないような炎と怒りに直面する」ことになる――。8月8日、そう警告したドナルド・トランプ米大統領だが、どこまで本気なのか。先制攻撃を仕掛けていない国に対して、本当に核攻撃を仕掛けるだろうか。 大方の意見は懐疑的だ。核の先制攻撃には側近が反対するだろうし、国民も正式な発言権はないが大統領の行動を制限するはず――というのが世間一般の見方だ。広島への原爆投下以降、アメリカ人の精神には「核のタブー」が染み込んでいる、あるいは通常兵器でも非戦闘員を殺すことには抵抗が強くなっていると指摘する専門家もいる。 だが楽観はできないかもしれない。安全保障専門誌インターナショナル・セキュリティーの最新号で、スタンフォード大学のスコット・セーガン教授