南シナ海において中国が領域支配の現状変更を試みていることに危機感を覚えている国の一つにフィリピンがあります。フィリピンは2010年代以降、中国の脅威を認識し、対内的安全保障から対外的安全保障へと国防の重点を移行させてきました。現在、フィリピンは軍事力に基づくバランシングによって中国の圧力に対抗しようと試みていますが、今回はそのことを取り上げた論文を紹介したいと思います。 De Castro, R. C. (2024). Exploring the Philippines’ Evolving Grand Strategy in the Face of China's Maritime Expansion: From the Aquino Administration to the Marcos Administration. Journal of Current Southeast Asia