ブックマーク / note.com/takeuchi_kazuto (6)

  • 論文紹介 中国の圧力に立ち向かうフィリピンの国家戦略はどのようなものか?|武内和人|戦争から人と社会を考える

    南シナ海において中国が領域支配の現状変更を試みていることに危機感を覚えている国の一つにフィリピンがあります。フィリピンは2010年代以降、中国の脅威を認識し、対内的安全保障から対外的安全保障へと国防の重点を移行させてきました。現在、フィリピンは軍事力に基づくバランシングによって中国の圧力に対抗しようと試みていますが、今回はそのことを取り上げた論文を紹介したいと思います。 De Castro, R. C. (2024). Exploring the Philippines’ Evolving Grand Strategy in the Face of China's Maritime Expansion: From the Aquino Administration to the Marcos Administration. Journal of Current Southeast Asia

    論文紹介 中国の圧力に立ち向かうフィリピンの国家戦略はどのようなものか?|武内和人|戦争から人と社会を考える
    k-takahashi
    k-takahashi 2024/06/24
    “東南アジア諸国の中でこれだけ中国の脅威を認識し、費用負担を覚悟の上でバランシングを試みているのはフィリピンに特有の現象であることを強調”
  • 冷戦期の平和運動は東側の情報機関にどれほど利用されていたのか?|武内和人|戦争から人と社会を考える

    アメリカとソ連の冷戦構造によって東西に分断されたドイツは、両陣営が活発に情報活動を遂行した地域の一つです。近年、東ドイツの情報機関であり、対外工作も行っていた国家保安省(Ministerium für Staatssicherheit)、通称シュタージの史料が開示され、東ドイツが西ドイツの平和運動の組織化を支援していたことが分かってきました。トマス・リッドは、『アクティブ・メジャーズ(Active Measures)』でこの長期にわたるシュタージの対外工作について記述しています。 シュタージでは、西側の平和運動を支援する工作をフリーデンス・カンプ、つまり「平和戦争」と呼んでいました(邦訳、p. 273)。東ドイツ単独で実施していたわけではありません。これはソ連のKGBの指導の下で東ドイツとブルガリアが連携して実施した積極工作であり、ソ連の暗号ではマルス(MARS)と呼ばれていました(pp.

    冷戦期の平和運動は東側の情報機関にどれほど利用されていたのか?|武内和人|戦争から人と社会を考える
    k-takahashi
    k-takahashi 2023/07/08
    “シュタージの積極工作においてすべての平和運動が望ましい存在であったわけではなく、東側にとって望ましくない運動には犯罪に触れない範囲で繰り返し嫌がらせを行い、言論活動から手を引かせようとしていました”
  • 戦闘開始から1週間で見えてきたロシア軍の4つの弱点|武内和人|戦争から人と社会を考える

    2022年2月24日、ロシア軍はウクライナで攻勢を発起しましたが、稿を執筆している3月3日現在に至るまで首都キエフの占領には至っておらず、各正面でウクライナ軍の激しい抵抗を受けています。ウクライナ軍に対してロシア軍が今でも定量的、計数的に優勢であることは確かですが、それにもかかわらずロシア軍がこれほど苦戦している理由は何でしょうか。 この記事では、軍事の観点からこの問いに答えてみたいと思います。ロシア軍の能力を人事、情報、作戦、兵站という4つの側面から分析し、それぞれの側面から見えてくる軍事的弱点を説明します。また、今後のプーチン大統領がロシア軍の弱点に対処するため、どのような行動をとる可能性があるかを示し、これから起こり得る事態について予測します。 人事:作戦の開始直後から低下している士気部隊の戦闘力を維持し、また増進するために軍隊が重視すべき機能の一つが人事です。人事は幅広い業務から

    戦闘開始から1週間で見えてきたロシア軍の4つの弱点|武内和人|戦争から人と社会を考える
    k-takahashi
    k-takahashi 2022/03/05
    『ロシア軍の能力を人事、情報、作戦、兵站という4つの側面から分析し、それぞれの側面から見えてくる軍事的弱点を説明』『ロシア軍の弱点に対処するため、どのような行動をとる可能性があるか』
  • 論文紹介 古代・中世の欧州で書かれた軍事学の古典に共通する意外な特徴|武内和人|戦争から人と社会を考える

    ヨーロッパでは古くからさまざまな軍事学の著作が書かれてきましたが、古代から中世までの時期に限定すると、その内容から二つのタイプに区分できます。一つ目のタイプは戦例集であり、過去に起きた戦争の経験で教育や研究に適したものを記録した兵書です。二つ目のタイプは教範であり、これは一般的な状況を想定した上で、具体的な方法や原則をまとめた兵書です。 これらの古典の内容をさらに調べていくと、軍隊の士気を高めるために、指揮官が弁論の技術を駆使すべきであるという主張が繰り返し現れることに気が付きます。現代の軍事学の文献でも統率、リーダーシップの重要性を説いたものは少なくありませんが、弁論術について長々と論じるものは非常に珍しいと思います。 この記事では、古代から中世のヨーロッパで書かれた軍事学の古典が戦意を高めるために、どのような弁論の技術を必要としていたのかを明らかにした研究論文を取り上げ、その内容に沿っ

    論文紹介 古代・中世の欧州で書かれた軍事学の古典に共通する意外な特徴|武内和人|戦争から人と社会を考える
    k-takahashi
    k-takahashi 2022/02/05
    『古代から中世のヨーロッパで書かれた軍事学の古典が戦意を高めるために、どのような弁論の技術を必要としていたのかを明らかにした研究論文』 『軍隊の弁論術に関する記述の変遷を簡単に紹介』
  • 脅迫を成功させるための4つのポイント|武内和人|戦争から人と社会を考える

    脅迫とは相手に自分の要求を受け入れさせるために、武力を背景とした威嚇を行うことをいいます。現状維持を目的とした抑止とは異なり、現状打破を目的としており、しかも武力紛争になった場合のコストを負わずにすむという利点があります。 アメリカ政治学者スティーヴン・ウォルト(Stephen Walt)は脅迫を成功させるための条件を4つのポイントにまとめており、交渉で相手から譲歩を引き出す上で参考になります。 1 相手より弱くても脅迫はできるウォルトによれば、脅迫を成功させるために必要なことは、相手よりも軍事力で優位に立つことではありません。大事なことは、相手に何らかの恐怖を与えることであり、たとえ自分より相手が全般的に強かったとしても、相手が恐れていることを何か一つでも引き起こせるのであれば脅迫は可能です(Walt 2002: 152)。 例えば、北朝鮮アメリカに比べて軍事的能力ではるかに劣ってい

    脅迫を成功させるための4つのポイント|武内和人|戦争から人と社会を考える
    k-takahashi
    k-takahashi 2021/10/23
    『譲歩すれば二度と危害を加えることはないと確信させることができれば、それは理想的な脅迫』
  • 国際政治学の立場からボードゲーム『ディプロマシー』の特徴と、その問題点を考えてみる|武内和人|戦争から人と社会を考える

    20世紀に開発されたボードゲーム『ディプロマシー』、今でも高い知名度を誇る古典的作品です。『ディプロマシー』のテーマは第一次世界大戦であり、プレイヤーはイギリス、フランス、ドイツ、イタリア、オーストリア、ロシア、トルコの7か国に分かれ、ヨーロッパにおける領土の拡大を目指して、外交交渉と軍事戦略を駆使しなければなりません(ルールの詳細はWikipediaでも解説されています)。 大学における政治学の教育でボードゲームを利用する取り組みが広まったのは、おそらく1990年代に入ってからではないかと思いますが、当初から『ディプロマシー』は国際政治学の教育現場で教員と学生の双方から支持を受けてきました。日でも一部の大学で教育に活用する試みが見られます(例えば、大正大学では2013年にプチ・レクチャーの教材として使われたことがあるようです)。 ただし、このようなボードゲームの利用においては、教育的な

    国際政治学の立場からボードゲーム『ディプロマシー』の特徴と、その問題点を考えてみる|武内和人|戦争から人と社会を考える
    k-takahashi
    k-takahashi 2021/03/07
    『ディプロマシーが教育上、効果があることを前提にした上で、その限界を説明』 『ディプロマシーは攻撃的リアリズムの基本思想を先に示していた』
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