ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (22)

  • 経済学はどこまで信用できるのか『経済学のどこが問題なのか』

    経済学が、うさんくさい。 ネットで見かける経済学者の態度が偉そうだとか、オレサマ経済理論を振りかざす連中の断定口調が気に入らないとか、そういうのをさっ引いても、経済学そのものに不信感がある。何か騙されているような感覚がつきまとう。 この記事では、『経済学のどこが問題なのか』(ロバート・スキデルスキー、名古屋大学出版会、2022)をダシに、経済学そのものが抱える問題について、以下の構成で考察する。 ・自然科学の体裁としての数式・モデル ・現実との乖離の埋め方 ・経済学の何が問題か ・経済学のうさんくささ、クルーグマンは知っていた ・もし経済学者が馬だったら ・行動経済学の罪 ・経済学者への処方箋 ・経済学者は謝ったら死ぬのか 自然科学のフリをする経済学 例えば、経済学者が説明するグラフやモデルだ。 数式やパラメーターが出てくるので、自然科学の体(てい)を成しているように見える。パラメーターを

    経済学はどこまで信用できるのか『経済学のどこが問題なのか』
    k-yakou
    k-yakou 2023/02/25
  • 再読すれば再読するほど夢中になるリチャード・パワーズ『黄金虫変奏曲』

    毎夜、取り憑かれたかのようにのめり込む。 800ページ超の鈍器なので、持ち歩くには向いてない。アメリカ文学の鬼才リチャード・パワーズの長編小説なので、面白さは折り紙付き。 2組のラブストーリーを軸に、進化生物学、音楽、文学、歴史、芸術論、情報科学が丹念に織り込まれており、知的好奇心と物語の引力に惹かれながら、読んでも読んでも終わらない幸せが何夜も続いた。 充実した十八夜を過ごし、惜しみ惜しみ最後のページに至った時、「これ、最初のページに繋がっている!」ことに気づく。ダ・カーポ(始めに戻る)やね。そして、もう一度はじめから読み返す。 (この物語の構造上、中身に触れずに紹介するのは難しい。ある程度ストーリーに踏み込んでゆくので、ご容赦願いたい) 2人の主人公 主人公はオデイ、ニューヨーク公共図書館に勤めている。利用者が寄せる様々な種類の質問に答える司書だ。 地球上にはまだ測定されていない場所

    再読すれば再読するほど夢中になるリチャード・パワーズ『黄金虫変奏曲』
    k-yakou
    k-yakou 2022/09/20
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる

    好きなを持ち寄って、まったり熱く語り合う読書会、それがスゴオフ。 に限らず、映画音楽ゲームや動画、なんでもあり。なぜ好きか、どう好きか、その作品が自分をどんな風に変えたのか、気のすむまで語り尽くす。 この読書会の素晴らしいところは、「それが好きならコレなんてどう?」と自分の推しから皆のお薦めが、芋づる式に出てくるところ。まさに、わたしが知らないスゴを皆でお薦めしあう会なのだ。常連さんはもちろん、初参加の方も歓迎、「最近行ってないなー」という方もぜひぜひ。 ■日時 4月7日(日)13時~18時(受付開始12:30~) 途中入場・途中退出OK ■場所 HENNGE 11階ラウンジ 東京都渋谷区南平台町16番28号 Daiwa渋谷スクエア ■テーマ マンガ(もちろんコミックに限らず、マンガが原作のアニメーション、映画ゲーム、舞台なんでもあり) ■会費 1,000円(軽、飲み物

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる
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    k-yakou 2021/08/10
    “『紛争でしたら八田まで』”
  • この本がスゴい!2019

    人生は短く、読むは多い。 毎年この時期、自分のリストを振り返るのだが、読みたいが尽きることはない。読むほどに、知るほどに、知識と理解と表現の不足を痛感する。 それでも読むし、ここに書く。読むことで豊かになり、書くことで確かになるというのは当で、読んでいるときに何を知りどう考えていたかは、書くことでハッキリする。 つまり、自分で分かるために書いているのだ。フランシス・ベーコンは、話すことで機敏になるとも言ったが、わたしの場合、話すことで世界が変わった。[スゴオフ]や読書会、[冬木さんとのSF対談]や、読書猿さんとの知をめぐる対談[1][2][3]で、世界の見え方が変わった。 読書会や対談は今後もしていくが、そこで紹介されたや、2019年に出会ったの中から、わたしにとってのベストを選んだ。これが、あなたにとってのスゴとなれば嬉しい。そして、このリストを目にしたあなたが、「それがス

    この本がスゴい!2019
    k-yakou
    k-yakou 2019/12/01
  • おっさんから若者に贈る「経験を買う」6冊: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる

    結論から言うと、経験は買える。 適切なタイミングで適切なと出会うことで、しなくてもいい経験や、身につけておくべき知恵を”買う”ことができる。今「おっさん」である私から、20年前の「若者」だった私に、いい仕事をする上で読んで欲しいを選んだ。 20年前は、炎上プロジェクトに飛び降りて、鎮火しつつ撤退する「しんがり」役を仰せつかっていた。負けることは決まっているが、死なないように生きることばかり考えていた。将来に漠然とした不安を感じていたものの、とにかく目の前の障壁をクリアすることが先決だと思っていた。 今はかなり違う。 身をもって得た経験や教訓はあるが、代償は大きく、もっと効率よく結果につなげることができたはず。この「効率」とは要するに時間だ。莫大な時を費やして手に入れた経験は確かに得難いが、そんなことをしなくても積むことはできた。どうすれば可能か、今なら分かる。 それはを読むことだ。

    おっさんから若者に贈る「経験を買う」6冊: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる
    k-yakou
    k-yakou 2019/06/07
    “大きな岩を先に入れないかぎり、それが入る余地は、その後二度とないという事なんだ”
  • 映画『ニューヨーク公共図書館』を観たら、未来の図書館が見える

    フレデリック・ワイズマン監督『ニューヨーク公共図書館』を観てきた。ニューヨーク公共図書館(NYPL)そのものを主役とし、そこに集う人々を丹念に描いており、ものすごく贅沢な3時間が、あっという間だった。 図書館を超えた図書館の姿を眺めているうちに、「図書館とは何か?」についての具体的な回答と、その回答から導かれる未来の図書館が見えてきた。 図書館とは何か 「図書館とは何か?」について持っているイメージは、この映画によって覆るかもしれない。静謐な空間で賢そうな人がに没頭するといった静的な姿がある一方、大盛況の就職セミナーや講演会、パソコン教室、低所得者への支援といった動的な面が際立つ構成となっている。 そうした営みを見ているうちに、図書館とは、ただを集めて貸し出すだけの場所ではない、ということに気づく。 NYPLに集う人は、様々な「知りたい」ことを抱えてくる。面接でどうふるまえば合格できる

    映画『ニューヨーク公共図書館』を観たら、未来の図書館が見える
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    k-yakou 2019/05/31
    “「図書館は、知りたいことと人を結びつける場所」という本質から考えてみよう。”
  • 「語りえぬもの」とは何か?『ウィトゲンシュタイン 論理哲学論考 』

    「語りえぬものについては、沈黙しなければならない」 ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』は、この一文で終わっている。 ウィトゲンシュタインは、この一文を証明するために『論考』を書いた。 すなわち、この一文が分かることは、『論考』が分かることに等しい。 何度も挑戦し、挫折し、さまざまな回り道をしてきたが、古田徹也氏が著した『ウィトゲンシュタイン 論理哲学論考』で、ようやくたどり着いた。やっと「分かった」と言えるようになった。 しかし、当に「分かった」のか? 独りよがりに陥っていないか? それを確かめるために、自分の言葉で説明しなおす。「語りえぬもの」とは何か? なぜ沈黙しなければならないのか? 「語りえぬもの」について、わたしの理解を確かめたい。 「語る」とは何か まず、「語る」について語ろう。ここで言っている「語る」とは、何か意味のあることを言葉で表現することだ。たとえば、 あの日見た花

    「語りえぬもの」とは何か?『ウィトゲンシュタイン 論理哲学論考 』
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    k-yakou 2019/05/20
  • 知の泥棒の歴史『図書館巡礼』

    図書館巡礼』は、書物と図書館について四方山話を集めた一冊だ。「」を追い求める営みが真摯で、ひたむきであればあるほど、常軌を逸した書痴っぷりが伝わってきて、非常に楽しい。 知の泥棒の歴史図書館巡礼』の著者は気づいていなさそうだが、書は、知の泥棒の歴史に見える。 口伝、写、書物、ROM、媒体は異なれども、人は知を集めようとしてきた。知は必ずしも正当な方法で集められるとは限らない。ひそかに盗み出されたり、言葉巧みに持ち出されそのまま帰ってこなかったり、ときに権力者によって強制的に収奪されることもある。 さらに、知の集積所である図書館には、知識だけでなく、知を司る人や、それを複製する人、売り買いする人たちが集まる。中には不心得者がいて、写を失敬し、売りさばいたり自分のモノにする人もいる。 こうした知の泥棒たちは、自分の行為をやましいと思っていない。むしろ、その書物の当の価値を知って

    知の泥棒の歴史『図書館巡礼』
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    k-yakou 2019/04/26
  • 「それでも、読書をやめない理由」は何だと思う?

    いきなり結論、答えは「情報過多だからこそ、を読むことが重要」になる。 結論はシンプルだが、ここへたどり着くまでの曲折は、身に覚えありまくり。そして、この結論そのものも激しく納得できる。「やっぱりが好き!」この理由を腑に落とすことができる、貴重な一冊。 著者は批評家で、大学では文学を教えている。を読むのが仕事なのに、ある日、読書に集中できなくなった自分に気づく。 もちろん、誘惑しているのはネットだ。メール、チャット、ブログ、ツイッター、フェイスブック、ニュースサイト……テクノロジーがもたらすノイズに注意散漫となり、ネットサーフィンの合間にを読んでるようなもの。ミソとクソと絶え間ないざわめきの中で、作家の権威は失墜し、物語の力は骨抜きになる。 著者の悩みは身に染みる。実際、イマどきのモノ書きが直面している問題は、まさにこれだろう。彼は、息子の宿題をダシに「グレート・ギャツビー」を再読し

    「それでも、読書をやめない理由」は何だと思う?
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    k-yakou 2019/04/15
  • 読書猿さんと対談した

    読書猿さんとお会いして、お話することができたので、さしさわりのない範囲でまとめる。 濃厚かつ一瞬の2時間だったが、学ぶヒントや学び続ける勇気、そして大量のスゴを教えてもらえるという、かけがえのない時間でしたな。フォレスト出版さん、読書猿さん、ありがとうございます。ブログやってて良かった! 自ら学ぶことを大切にしている人で、読書猿さんを知らない人はいないだろう。一言なら、哲人(てつじん)。すぐれた知性と見識の高さ、的確すぎる筆致と高高度な調査能力を駆使する、教養の化物である。古今東西のあらゆるを吟味し玩味し紹介するブログ[読書猿]の中の人で、メルマガ[読書猿]を発行しており、『アイデア大全』『問題解決大全』というスゴを著している。 お会いするまで、そんな人は実在しないと考えていた。読むのも書くのも質量ともども桁外れ、文献調査や公開情報を用いた分析が研究機関レベルで、得られた知見を、読み

    読書猿さんと対談した
  • 『ニックス』はスゴ本

    狂おしいほど好き。 めちゃくちゃ笑い、泣き、怒り、嘆き、途方にくれ、ハラハラ・オロオロ・ドキドキしながら夢中になって読んだ、ユーモアと切なさに満ちた最高の一冊。 面白さを物理的に証明する 「面白さ」の表現として、ページターナーとか巻を措く能わずというけれど、この小説は物理的に証明することができる。図書館で借りてきたとき、の背表紙が「歪んで」いるのが証拠だ。 説明する。 を開くと、の背は開いた方向へ引っ張られる。一定のあいだ引っ張られると、背表紙は、その方向に「くせ」が付く。そして、を閉じると引っ張られた背は戻る。閉じている時間が長いと、ついた「くせ」は戻ろうとする。つまり、「引っ張られた時間=読んでいる時間」が長いほど、「くせ=歪み」が付いた背表紙となる。 ちょっと待て。 『ニックス』のような長い作品(2段700頁)だと、当然、読む時間も長くなるから、くせが付きやすいんじゃないの?

    『ニックス』はスゴ本
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    k-yakou 2019/04/02
  • 読書会で毒を吐く『春にして君を離れ』

    読書は毒書だ。 (小説を)読むとは、大なり小なり毒を浴びること。読んでも残らないなら、読むというより「見た」にすぎぬ。同じ一冊が、深く刺さる人もいれば、かすりもしない人もいる。そういう、読み手の人生経験や過去にダイレクトに反射する作品は、値千金だ。 すぐれた物語は一生を二生にする なぜなら、自分がそのときどう感じていたか、すべきこと/すべきでなかったことを、物語として読めるから。これ、よくある客観視ではない。「そのとき」の感情や判断は、そのときの感覚や記憶によって歪められている。自分フィルターの歪みを自覚しながら、「そのとき」の感情や判断を、「いま」読んでいる作品を通じ、「自分の物語」として語りなおす試みは、めったにお目にかかれない。だから値千金なのだ。 「すぐれた物語は一生を二生にする」という言葉の秘密はここにある。 作中の人物に対する「いま」の批判が、そのまま「そのとき」の自分になる。

    読書会で毒を吐く『春にして君を離れ』
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    k-yakou 2019/03/31
  • 川上未映子・村上春樹の対談『みみずくは黄昏に飛びたつ』がタメになるのでまとめる

    小説論としても小説家論としても面白いし、村上春樹の深いところを掘り出しているのもいい。村上春樹が語ってきたことは様々なになっているが、同じく日語で小説を書く川上未映子が、「作家∧読者」という立場からインタビューするのは珍しい。谷古宇さん、素晴らしいを薦めていただき、ありがとうございます。 一冊で2^2度おいしい を書く人はを読む人でもある。それぞれの作家が書いてきた作品を、より深く読むための縁にもなるし、「物語とは」「文体とは」「悪とは」といったテーマについて、いま生きている作家からヒントをもらえる。なぜなら、2人の作家について、作者・読者の2つの立場からナマの声が書いてあるから(2^2度おいしい)。 だから、小説を「読む人」にとってのヒントがあるだけでなく、「書く人」にとっても数多くの気づきが得られる。ここでは、「村上作品の質」と「小説にとって共通的なヒント」を明らかにしなが

    川上未映子・村上春樹の対談『みみずくは黄昏に飛びたつ』がタメになるのでまとめる
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    k-yakou 2019/03/23
  • 「古典は本当に必要なのか」討論会へ行ってきた

    古典不要派と必要派がガチで議論するシンポジウム「古典は当に必要なのか」を見てきた。パネリストの紹介は[「古典は当に必要なのか」シンポジウム]で、youtube や twitterまとめ([第一部]、[第二部])で見ることができる。 3行でまとめる+問題の質 長いので3行でまとめる。「高校の古典(古文・漢文)は必要か?」という議題に対し、 不要派:古典は選択科目にして論理国語に注力すべき。あと現代語訳でおk 必要派:幸せに生きるための古典は原文も一緒でないと 会場の声:必要派が優勢だが、現場では現代語で教えてるのが実情 そして、この問題の質は次の通り。「古典は必要か?」と問われれば、必要に決まっている。問題なのは、どれくらい必要なのか? と問われていることに気づいていないことである。 そして、もっと厄介なのは、「これくらい必要」の「これくらい」は何を根拠にそう言えるのかを、示せていな

    「古典は本当に必要なのか」討論会へ行ってきた
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    k-yakou 2019/03/05
  • 『ウイルスの意味論』はスゴ本

    見えてるはずなのに見ていないことに気づくと、より世界が見えるようになる。目にウロコなどなく、先入観に邪魔されていただけなのだ。そして、先入観に気づくだけで、世界が一変する。なぜなら、そこに「ある」という確信をもって、見ようとするからだ。 「惑星系=太陽系」という先入観 たとえば、系外惑星。太陽系以外の惑星のこと。観測技術が向上したにも関わらず、近年までほとんど見つけることができなかった。しかし、1995年に「ホット・ジュピター」と呼ばれる系外惑星が見つかってから、ほとんど爆発的といってもいいほど大量に発見されている。 ここで重要なのは、ひとたび見つかると、ラッシュのように見つけられる点にある。なぜか? それは、それまで探す対象としていたモデルが、太陽系だったから。われわれのよく知るサンプル(=1)を基に望遠鏡を向け、似たようなサイズや軌道や周期を探しても、なかなか見つからない。 しかし、超

    『ウイルスの意味論』はスゴ本
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    k-yakou 2019/02/25
  • 橋本大也さんの最近のお薦め10冊を聞いてきた

    [情報考学 Passion For The Future]をご存知だろうか? 科学の啓蒙書や経済・経営のノンフィクションから、SF、純文学、教養と思想、ゴリゴリの猟奇モノまで幅広く紹介するブログだ。更新頻度もひんぱんで、新刊もそうでないのも分けへだてなく、「基誉める」を貫いており、たいへん参考にさせていただいた(というより、あこがれまじりで追いかけていた)。書評ブログといえばここだったのだが、ここ数年、あまり更新されていない。 仕事が大変で、書評どころでないのだろうな……と思いきや、某所で活動されているのを耳にした。数年前、一念発起して英語を学び直し、今は英語が中心とのこと。audible も活用し、耳からの読書もしているという。書評英語圏で発信しており、(当然のことながら)日語ではない。詳しいことは、デジタルハリウッド大学の企画[今、この10冊が面白い!]という対談会でお話を伺

    橋本大也さんの最近のお薦め10冊を聞いてきた
    k-yakou
    k-yakou 2019/02/18
  • 橋本大也さんの最近のお薦め10冊を聞いてきた

    [情報考学 Passion For The Future]をご存知だろうか? 科学の啓蒙書や経済・経営のノンフィクションから、SF、純文学、教養と思想、ゴリゴリの猟奇モノまで幅広く紹介するブログだ。更新頻度もひんぱんで、新刊もそうでないのも分けへだてなく、「基誉める」を貫いており、たいへん参考にさせていただいた(というより、あこがれまじりで追いかけていた)。書評ブログといえばここだったのだが、ここ数年、あまり更新されていない。 仕事が大変で、書評どころでないのだろうな……と思いきや、某所で活動されているのを耳にした。数年前、一念発起して英語を学び直し、今は英語が中心とのこと。audible も活用し、耳からの読書もしているという。書評英語圏で発信しており、(当然のことながら)日語ではない。詳しいことは、デジタルハリウッド大学の企画[今、この10冊が面白い!]という対談会でお話を伺

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    k-yakou 2019/02/12
  • 『会計が動かす世界の歴史』はスゴ本

    シャーロック・ホームズの金銭感覚や、ダーウィンの資産活用から、会計と革命の意外すぎる関係、複式簿記から解き明かす知性の進化など、歴史を縦横に行き交い、ミクロからマクロ経済まで自在にピントを合わせながら、人類の歴史を損得の視点から紐解く。 パッケージから、最初は「簿記の歴史」や「会計の世界史」という印象を持った。だが、書の焦点深度はもっと広い。そして、めちゃめちゃ面白い。これは、お金と人との関わり合いをドラマティックに描くだけでなく、それを通じて「お金とは何か」ひいては「価値とは何か」についても答えようとしているからだ。 「お金」が人を作った? 誤解を恐れずに言うと、「お金」が人を作ったといえる。 逆じゃね? と思うだろう。壱万円札を作ったのは人だし、その紙に「壱万円分の価値がある」(ここ重要)と信じているのは人だから。なぜ壱万円に壱萬円分の価値があるかというと、壱萬円の価値があるとみんな

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    k-yakou 2019/02/12
  • 「古典は本当に必要なのか」討論会へ行ってきた

    古典不要派と必要派がガチで議論するシンポジウム「古典は当に必要なのか」を見てきた。パネリストの紹介は[「古典は当に必要なのか」シンポジウム]で、youtube や twitterまとめ([第一部]、[第二部])で見ることができる。 3行でまとめる+問題の質 長いので3行でまとめる。「高校の古典(古文・漢文)は必要か?」という議題に対し、 不要派:古典は選択科目にして論理国語に注力すべき。あと現代語訳でおk 必要派:幸せに生きるための古典は原文も一緒でないと 会場の声:必要派が優勢だが、現場では現代語で教えてるのが実情 そして、この問題の質は次の通り。「古典は必要か?」と問われれば、必要に決まっている。問題なのは、どれくらい必要なのか? と問われていることに気づいていないことである。 そして、もっと厄介なのは、「これくらい必要」の「これくらい」は何を根拠にそう言えるのかを、示せていな

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    k-yakou 2019/01/20
  • 『はざまの哲学』はスゴ本

    「哲学は何の役に立つのですか?」 哲学をやっていて良いのは、メタ的に疑う目を養えることだ。 たとえば、「哲学は何の役に立つのですか?」という質問が、どんな前提で発せられており、その前提が孕む別の問題に気づけるようになる。 質問者は、「哲学は〇〇の役に立ちます」という回答を期待している。〇〇には、適当な言葉が入る。たとえば、「論理的思考」や「詭弁術」、あるいは「認知バイアスの明確化」「会議における論駁」など、いくらでもある。そこから質問者は、〇〇を身につけるには、別に哲学である必要はない、と言うことも可能だ。 まさにここが問題になる。 「哲学が〇〇の役に立つ(a)」からといって、「〇〇のために(b)哲学がある」わけではない。この(a)と(b)を混同させる発想が、質問の前提にあるのだ。いま哲学を槍玉に挙げたが、哲学に限らず、歴史数学、文学など、学問分野は質問者の意図によって入れ替え可能である

    『はざまの哲学』はスゴ本
    k-yakou
    k-yakou 2019/01/06