ブックマーク / m-majipan.hatenablog.com (153)

  • オオバギボウシの花 - 近場の博物誌

    先週多摩丘陵のオオバギボウシ(キジカクシ科)を紹介した。あの時はまだ花茎が伸び切っていなかった。その後関東地方は梅雨明けして猛烈に暑い日が続いた。1週間経った今日見に行くと、花茎が長く伸びて花が咲き始めていた。 ギボウシの名の元になった擬宝珠(ぎぼうしゅ、昔の橋の飾り)に似た形のつぼみもくっきりした形で並んでいる。形は今風に言うならボーリングのピンかジャグリングのクラブといったところだ。短期間にこんなに変化したことには驚いた。 梅雨空で見るのも良いが、暑い夏の日に雑木林の木陰で咲いているところも爽やかで涼しげである。わずかに紫に色づいているのが奥ゆかしくて美しい。

    オオバギボウシの花 - 近場の博物誌
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    k10no3 2022/07/03
  • オオバギボウシ - 近場の博物誌

    野山に自生するギボウシを求めて多摩丘陵を歩いてみた。谷間(谷戸やと)の小道を登っていくと路側の林縁にそれらしき葉がある。ただしギボウシよりかなり大型で30㎝以上ある。葉は長めの柄(え)があり、表面の葉脈が印象的である。そこから花穂のようなものが傾いて突き出している。 花のようなものは白い鱗片が重なっており先端が少し薄紫色に染まっている。調べてみるとオオバギボウシという種類のようだ。まだ花穂は伸び切っておらず、鱗片のように見えるのは苞(ほう、葉がガクに変わったもの)である。これから擬宝珠に似たつぼみが伸びてきて、紫色の花房を形成する。 春先の新芽はウルイと呼ばれる山菜の一種である。道沿いにこの草が並んでいるので、かつて用とするために里山の一角に植えられたものかもしれない。

    オオバギボウシ - 近場の博物誌
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    k10no3 2022/06/28
  • コゲラ(小型のキツツキ) - 近場の博物誌

    住宅街のマンションの前。玄関のアプローチにシンボルツリーというのだろうかアカシアの木が植えてある。今日見ると周囲に木くずのようなものが散っている。なんだろうと思って見あげると、3~4m上の方に小さな生き物がチョコチョコ動いている。木に開けた穴が見える。キツツキだ! 大きさはスズメくらい。寄っていくと上に逃げるのであまり近づけない。私のデジカメのズームではこの辺が限界だ。しかも逆光。画像の明るさを変えてようやく羽根の模様が見えた。濃い茶色に白いまだらの横スジがあり、図鑑によるとコゲラという種類のようだ。キツツキは今まで何度か見たことがあるが、街中で見たのは初めてだ。調べると、来は山林に住んでいるが、近年は都市部にも生息域を広げているとのことだ。 盛んに木をつついて穴をあけており、ココココという音が聞こえる。この木はつい先日まで黄色い花が咲いていたが、葉がほとんど付いておらず、もう枯れそうで

    コゲラ(小型のキツツキ) - 近場の博物誌
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    k10no3 2022/06/15
  • ザクロの花 - 近場の博物誌

    街中でも庭木としてよく見かける。ザクロは果物の一種だが、私には子供のころにべて酸っぱかった記憶がある。もっぱら観賞用のものではないか。花も実も個性的で、強烈な印象を受ける。 樹高は5-6mになる。今頃、枝先に直径5㎝ぐらい朱赤色の花を付ける。花弁は6枚で、紙をクシャクシャと丸めてから伸ばしたような感じだ。花後は六裂したガクの根元が膨らんで直径5㎝くらいの球状の実になり、10月ぐらいに熟れると、不規則に割れて中から淡紅色の種皮に覆われた種が顔を出す。花も実も整った形ではないところに独特のアジがあって目を楽しませてくれる。 ミソハギ科。小アジア(トルコ付近)~ヒマラヤ原産。人類とのかかわりは非常に古く、古代エジプトやギリシア神話にも登場する。日へは平安時代に中国から伝わった。そのため、ザクロの名前は漢名の「柘榴」の中国語の発音から来ている。

    ザクロの花 - 近場の博物誌
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    k10no3 2022/06/12
  • ニワトコの実 - 近場の博物誌

    多摩丘陵の雑木林の縁で見つけた木の実である。今の時期、緑の木の葉が茂る中で、ツヤのある赤い実が多数集まっている様子は鮮烈な印象を受ける。 花は春3-4月で、大きな花序に白い小さな花を多数つける。葉は対生し、奇数羽状複葉。葉の付いた枝のように見えるのが一枚の葉で長さ30㎝ぐらいある。果実は径3~5㎜の球状。わずかに沈んだ赤色が美しいがべられない。 新しいAPG分類ではレンプクソウ科になる。耳慣れない科名だが、旧スイカズラ科(ニワトコが属していた)やガマズミ科が含まれる。日全国、東アジアに分布。山野に普通に見られる低木である。高さ3mぐらいであまり大きくならない。 民間薬として栽培に古い歴史があり、昔から庭に植えられた。名前の由来は庭に常にあるという意味で「庭常(ニワトコ)」である。別に漢字で「接骨木」とも書き、骨折の治療に使われた。色々役に立つ植物とのことだ。

    ニワトコの実 - 近場の博物誌
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    k10no3 2022/06/11
  • 雨に咲く花? - 近場の博物誌

    梅雨入りしてから肌寒い雨の日が続いている。近所を歩いていたら空き地の草むらの中に奇妙な花のようなものを見つけた。四弁で径1㎝ぐらい。枯葉のような色をしており、赤っぽい緑色の茎に沿って並んでいる。よく見るとあたりにたくさんある。 一部に花が残っており、ユウゲショウの花後と分かった。あの赤紫の可憐な花だ。春の長い期間咲き続けて目を楽しませてくれた。 調べるとこれは実である。来、楽器のマラカスのような形をしており、熟すと茶色になる。硬いが、雨に当たると4つに割れて花のように広がる。中には細かい種がつまっている。画像のものは全部放出した後のようだ。梅雨時のまとまった雨を利用して種を散布するわけか。通り雨だけなら固まってしまうだろう。 晴れるとまた閉じるとのことなので、雨がやんで薄日が差したとき見に行った。皆ちゃんと閉じている。見る人もいない梅雨時の草むらの中での面白い現象である。

    雨に咲く花? - 近場の博物誌
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    k10no3 2022/06/09
  • イボタノキの花 - 近場の博物誌

    丘陵地の雑木林の林縁に多い。樹高2-3mで枝は分岐せずまっすぐに伸びる。これにほぼ同じ大きさ(長さ3-5㎝)の長卵型の葉が対生(同じ場所から向かい合って付く)する。葉は黄色っぽい緑色でツヤがなく柔らかい。 モクセイ科イボタノキ属の落葉低木。花は白色で密集して咲く。ラッパ形で四裂し、直径は8㎜くらい。2の雄シベが突き出す。花がよく似ているネズミモチは同属である。 イボタノキという奇妙な名前は、「疣取(いぼと)りの木」が語源。この木につくイボタカイガラムシから採れる蝋(ろう)が昔いぼ取りに使われたことによる。 匂いは強いが生臭い感じであまり良いものではない。ただ、梅雨入り前の今の時期、多摩丘陵を特徴づける香りのひとつであることは間違いない。

    イボタノキの花 - 近場の博物誌
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    k10no3 2022/05/30
  • トウオガタマ(カラタネオガタマ) - 近場の博物誌

    モクレン科の常緑低木。樹高3-5m。民家の庭先や神社などで見かける。この画像の木は多摩丘陵にある自然公園の雑木林内にあったもので野生化している。日陰なので花は少ないようである。 直径2-3㎝のクリーム色の花は赤紫の縁取りがあり、中心部に同色のぼかしがある。なかなかオシャレな感じだ。時間とともに色が濃くなる。花弁は6枚で完全には開かず、半開の状態のままである。バナナのような甘い香りを放ち、花の色もバナナを思わせる。 名前の「トウ(カラタネ)」は「唐(唐種)」で、中国原産を意味する。明治初期に渡来した。また「オガタマ」は、日在来種にオガタマノキという植物があり、その近縁であることによる。オガタマは「招霊(おぎたま)」が転じたものとされ、神の依り代(よりしろ)として神事で使われた。

    トウオガタマ(カラタネオガタマ) - 近場の博物誌
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    k10no3 2022/05/29
  • キウイフルーツの花 - 近場の博物誌

    多摩丘陵にある民家の庭先で見かけたもの。棚が作ってあって、丸っこい形の葉が茂っている。葉の下に花が下向きにつく。近寄ってみると雄シベが金色に見え、花びらも金色がかかってなかなか豪華な花だ。 雌雄異株で、画像は実のなる雌株である。花の中心の白い放射状のものが雌シベで、周囲を多数の雄シベが取り囲んでいる。実をならせるためには雄株が必要なので、雌株のものは花粉を作らないようだ。波打った花弁は6枚、直径は3~4㎝ある。勲章のような派手なつくりなのだが、葉の陰になるせいか地味な印象を受ける。 つる性の落葉樹。中国原産のマタタビ科シナサルナシが原種で、ニュージーランドで改良作出された園芸品種である。日にもサルナシやマタタビといった類縁種が自生している。ごく小さいが似たような実がなる。 名前はニュージーランドの国鳥であるキーウイにちなんで付けられたもの。実の外見が似ているからではない。イメージはピッタ

    キウイフルーツの花 - 近場の博物誌
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    k10no3 2022/05/27
  • コバンソウ(小判草) - 近場の博物誌

    これもイネ科の雑草だが、何年か前までは園芸店で売られており、今のように道端で普通に見られるようなものではなかった。花穂が成熟して乾燥すると明るい黄土色になり、独特の光沢と形は名前の通り「金無垢の小判」を思わせ美しい。そのためドライフラワーにして縁起物として飾っている人もいた。 ヨーロッパ原産で観賞用に導入されたものが帰化している。公園の一角などに群落を作っていると黄色っぽい色で目立つ。草丈は50㎝ぐらい。花穂は大きく広がり、繊細な枝先に5、6個の小穂が垂れ下がる。小穂は長さ2㎝程の小判型で鱗片状の小花の集まりだ。 下の画像は、民家の庭先でフラワーポットにあふれていたもの。ちょっと油断するとこうなるので雑草化するのもうなずける。これだけあると小判というより、芋虫か三葉虫の大群に見えてくる。

    コバンソウ(小判草) - 近場の博物誌
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    k10no3 2022/05/17
  • ノイバラ満開 - 近場の博物誌

    街では色とりどりの豪華なバラが見ごろになっている。一方近郊の野山でも野バラが満開である。今の時期咲いているのはノイバラという種類だ。小さな白い花をたくさんつけるのだが、園芸種に比べるといかにも地味だ。ただ香りは強い方で、「風薫る5月」の一端はこの花が担っていると思う。 山野以外に野バラが多いのは大きな川の周辺だ。下の画像は相模川河川敷のノイバラである。山から種が流水で運ばれて根付いたのであろう。点々と大きな株がある。相当な数だ。そのため河原全体がバラの香りに包まれている。 代表的な日の野バラで全国に分布する。半つる性の低木。初めは上に伸びアーチ状に垂れ下がる。高さは1.5-2mぐらい。円錐形の花序が立ち上がり、径2㎝ぐらいの花を多数つける。花は基的に白色だが時々ピンク色がかかったものがある。 葉は奇数複葉で小葉が9枚のものが基。一番根元の2枚が小さかったり、無かったりするものがある。

    ノイバラ満開 - 近場の博物誌
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    k10no3 2022/05/10
  • ギンラン(銀蘭) - 近場の博物誌

    家から徒歩20分ぐらいのところにキンラン(金蘭)ギンランがみられる雑木林がある。蒼とした林とともに畑や眺望が開けた草原(くさはら)などもあって多様な植物がみられる。私の植物観察のポイントの一つだ。 ギンランの花は純白でほとんど開かないままだが楚々として美しい。キンランとは白花と黄花の違いはあるが姿かたちはよく似ている。ただ、ずっと小柄で、近場のものの草丈は10㎝もない。花も4~6個ぐらいだ。それが高木の下生えの潅木の更に下に生えているので、よほど目を凝らさないと見つけることはできない。 キンギンの二種類はいつも一緒に生えているような気がする。花期がほぼ同じで、どちらも生育環境が雑木林の下の昼なお暗い、普通の草が生えないような限られた場所であるためと思われる。木の根や菌類が関与する複雑な共生関係を築いて栄養を得ているので、葉緑素を持ちながら光合成のみに依存しないのである。そのため他の場所に

    ギンラン(銀蘭) - 近場の博物誌
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    k10no3 2022/05/03
  • ホオノキ(朴木) - 近場の博物誌

    自宅の近くに丘陵地があり、広い雑木林が残っている。周囲は住宅地が迫っているが不思議に里山の自然が残っており、公園では見られない様々な種類の樹木が混在している。その中の一に大きな花が点々と付いているのに目が止まった。こんもりした大木である。 花の直径は15-20㎝で上向きについている。中心にこん棒状の雌シベがあり、その周りの多数の雄シベは赤紫色である。花びらは咲き始め白く、そのうち黄色っぽくなる。清涼感のある甘い香りがする。葉も大きく長さ20-40㎝の先の広がったヘラ形(倒卵型という)で、枝先にまとまって付いている。 モクレン科の落葉高木で高さは25mにもなる。日全国に分布する。「ホオ」は「包」を意味し、かつては大きな葉でべ物を包んだためという。端午の節句の柏もそうだが、木の葉にはよい香りの成分とともに抗菌成分も含まれており、器として利用することは理にかなっている、

    ホオノキ(朴木) - 近場の博物誌
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    k10no3 2022/05/03
  • ゼンマイの葉 - 近場の博物誌

    山菜としてよく知られているシダ植物である。全国の山野に自生する。ただ用になるのは平面螺旋型に丸まった新芽である。その後どうなっていくのか知らない人も多いのではないだろうか。 今の時期は大きく葉を伸ばし高さも1m近くになる。2種類の葉があり、中心部に直立した茶色の短い方は胞子を付ける胞子葉だ。開きかけの未熟な葉のような形をしており、短期間で枯れてしまう。一方、緑色の葉は光合成する栄養葉で2回羽状複葉。個々の小葉は先が尖って根元が丸い長三角形をしている。 画像下は新芽(4月7日撮影)で、山菜採りの対象になるのはこれだ。表面は綿毛で覆われているが葉が展開するとなくなる。日照を好むので、定期的に下生えの植物が刈られる里山や畑の周辺などで群落になっていることが多い。多摩丘陵ではまだよく見かける。

    ゼンマイの葉 - 近場の博物誌
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    k10no3 2022/04/25
  • アメリカハナズオウ - 近場の博物誌

    あるマンションの入り口付近に植えられていたもの。昨年夏ごろから通りすがりで見ていたのだが、何の木かわからない。高さは5-6mあり、ハート形の葉をつけている。おそらく外国産の園芸種だろうと思っていた。冬は葉を落とし、今頃になって花が咲いた。蝶形花と呼ばれるマメ科の特徴があり、それを手掛かりに調べてようやく正体が分かった。 名前の通りアメリカ原産の落葉高木である。マメ科ジャケツイバラ亜科。改めて見てみるとピンク~赤紫の花が美しい。花の長さは1.5㎝くらいで、短い花柄が付いている。葉の展開前に幹や枝の節々から蕾を出し、房状に花を付ける。 近縁種で中国原産のハナズオウと比べると花がやや小型で色が薄い。またハナズオウの開花時期はずっと前で早春の花である。名前の由来だが、別種にスオウ(蘇芳)という植物があり、赤系の染料が取れる。花の色がその染料で染めた色(スオウ色)に似ているためとのこと。

    アメリカハナズオウ - 近場の博物誌
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    k10no3 2022/04/22
  • アリアケスミレ2022 - 近場の博物誌

    この場所は、何年も前まだスミレに白い種類があること知らなかった頃に、偶然出会った所だ。あの時は不思議な感じがして、何か貴重な発見をしたようでうれしくなってしまったものだ。同じ白花でも丸っこくてカワイイ感じのマルバスミレと違って、全体にスリムで均整がとれており、楚々としたたたずまいと白磁のような花色が美しい。 花は側弁(横向きの花びら)と唇弁(下向き)に紫の条(すじ)が目立つ。花色は紫色に近いものまで変化に富むが、いずれも紫の条がはっきりしている。名称は、花色を月の出ている夜明け(有明)の刻一刻と変化していく空の色に見立てたもの。 近場では画像のような白っぽいものが多い。花期は4月中旬から5月中旬で遅い方である。そのため周囲に他の草が伸びているので埋もれてしまっている。早春からのスミレシリーズはこれで終わり。これから花盛りの陽春になる。

    アリアケスミレ2022 - 近場の博物誌
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    k10no3 2022/04/21
  • ウワミズザクラの花 - 近場の博物誌

    ソメイヨシノも葉桜になり、いよいよ若葉の季節になってきた。自然の丘陵地を残した広い公園を歩いていると、白いブラシ状の花をたくさんつけた木が目についた。15-20mぐらいの高木で、雑木林の縁から多くの枝を伸ばしている。 花は多数の雄シベが長く突き出し全体がブラシのように見える。その下の花びらは5枚で確かにサクラの仲間であることを感じさせる。花の後は赤や黄色のカラフルな実になる。要するにブドウのような房生りのサクランボである。(2021年7月19日付) バラ科で日全国に分布する。多くの花が集まった房(ふさ)咲きのため普通のサクラとは別系統に属する。よく似たイヌザクラとは花が付いた枝に葉が付く点が異なる。 白と緑の花は今頃の爽やかな空気とよく合っていると思う。

    ウワミズザクラの花 - 近場の博物誌
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    k10no3 2022/04/17
  • タマノカンアオイ2022 - 近場の博物誌

    でもほとんど多摩丘陵のみに分布が限られる植物である。今年も花の季節がやってきた。いつ見ても奇妙な形をしていると思う。姿だけでなく、色といい毛の生えた様子といい海の軟体動物のような感じだ。 葉に軍服のような迷彩色の模様があり、地面にへばり付くように生えているので全く目立たない。今はまだ落ち葉に覆われていてなおさらである。昔は大きな株がたくさんあったようだが、生息地の里山が開発されて今はなかなか出会えない。それでも永年歩き回っていくつか見られるポイントを探し当てている。 ウマノスズクサ科の多年草。花は長い葉柄の根元に半分土に埋もれたように付き、枯葉をそっとどけて探さなければならない。花びらのように見えるのはガクで花びらはない。中心部の穴の奥に雌シベ雄シベがある。アリなどの昆虫が授粉に関与しているとのことだが、興味は尽きない。

    タマノカンアオイ2022 - 近場の博物誌
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    k10no3 2022/04/10
  • ミツバツチグリ - 近場の博物誌

    街では桜が満開となった。里山の風景も急速に春の装いに変わってきている。多摩丘陵を歩いていると、ついこの間まで枯葉しかなかった林縁や空き地が、様々な草花で覆われているのに出会う。その中で地面を這うように葉を広げ、咲いているのがこの花である。黄色が実に鮮やかだ。 バラ科。花の直径は1~1.5㎝ぐらい。よく似たキジムシロとは葉の小葉の数が違う。名前の通り三つ葉の複葉である。また近縁のヘビイチゴも三つ葉だが、小葉の形が細長く周囲のギザギザが鋭角的な点が異なる。花も中心部に盛り上がりがなく、イチゴ形の実はできない。 キノコの仲間にツチグリというマンジュウ形のものがあり、類縁のツチグリというキク科植物は地下部が肥大してツチグリ(キノコの)のようになる。その三つ葉の種類というのが名前の由来である。ちょっと変な名前が気の毒だ。

    ミツバツチグリ - 近場の博物誌
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    k10no3 2022/03/31
  • 川沿いのヒメスミレ - 近場の博物誌

    ここ数日暖かい日が続いた。いつもの街中の川沿いを歩いていると、鮮やかな紫色の花が目についた。ヒメスミレだ。株の大きさに不相応なくらい多くの花を付けている。 護岸のコンクリートと道路のアスファルトのすき間に点々と生えている。スミレと同じように人の手が入ったところが好きなようだ。 濃い紫色の花は普通のスミレとよく似ている。しかし、スミレの花が径2㎝ぐらいあるのに対し、ヒメスミレの花は1-1.5㎝と小ぶりで、花びらも細身だ。スミレと比較してまさに「姫」の感じだ。距(花の後ろの蜜の袋)は大きめで白い。葉もスミレに似て細長く、翼はない。 時々街中の思いがけないところでこの花に出会う。小さくてもスミレなので、見つけるとうれしくなる。

    川沿いのヒメスミレ - 近場の博物誌
    k10no3
    k10no3 2022/03/27