太陽系外の惑星に生命が存在する可能性はあるのか-。文部科学省が所管する自然科学研究機構(本部・東京都港区)が、ハワイに高感度の巨大光学望遠鏡を建設し、「地球外生命体」の探査研究に乗り出すことになった。 計画の指揮を執るのは佐藤勝彦機構長(67)で、宇宙を創り出したビッグバン直前に宇宙のもとが急膨張したとされる「インフレーション理論」を確立した宇宙物理学の権威だ。「水や酸素がある惑星で、進化に必要な年数が経過していれば、何らかの生命体がいても不思議ではない」と惑星探しの意義を語る。 建設する望遠鏡は「TMT」と呼ばれる。ハワイのマウナケア山にある国立天文台の「すばる望遠鏡」の隣に、二〇一四年度に着工する予定だ。口径は三十メートルで、光を集める能力はすばる望遠鏡の十三倍。超高感度の天体観測が可能になる。