「人物の挙動が,その人物のキャラクタにふさわしくないことばで表現されることも,文脈によっては例外的にあり得る」として,これまでに例外的な文脈を2つ挙げた。第1の例外的文脈は「リアル文脈」で,この文脈は「微罪の親近感効果」を持っていた(補遺第40回・第41回)。第2の例外的文脈は「「つもり」「ホント」の混在文脈」で,この文脈はかわいさをかもし出す肯定的効果やアイロニカルな否定的効果を持っていた(補遺第42回・第43回)。 第3の例外的文脈を紹介する前に,ここで,さまざまな動物に対する我々の「キャラづけ」を見ておこう。 既に述べてきたように,直立姿勢の持続行動を「たたずむ」と表現され得るのは,それなりの落ち着いた雰囲気をそなえた『大人』キャラに限られる。アニメ『サザエさん』のタラちゃんは,「じっと立つ」ことはできるが,「たたずむ」ことは難しい。そして,鶴なら「湖のほとりにたたずむ」ことはできる