12月15日には諸役を決定するための入札(公職選挙のこと)が実施された[4]。この背景として、脱走軍は榎本武揚が指導者になっているとは言え、元藩主や元幕府老中といった大名クラスも参加しており、君臣の関係が複雑であったこと。また「陸軍派」と「海軍派」のグループもあり、「陸軍派」の中も、「彰義隊」と「小彰義隊」等の小グループがあり、全体として一枚岩に纏まってはいなかったことが挙げられる。ただし、この入札(投票)に箱館の住民は参加しておらず、旧幕府軍でも入札に参加したのは士官以上の者で旧幕府脱走軍の総数の3分の1程度にすぎず共和制といえるような公選ではなかった[4]。 「投票」総数856票の内訳は、以下の通りであった[7]。 榎本釜次郎 156 松平太郎 120 永井玄蕃 116 大鳥圭介 86 松岡四郎次郎 82 土方歳三 73 松平越中 55 春日左衛門 43 関広右衛門 38 牧野備後 3