ブックマーク / www.jst.go.jp (11)

  • 共同発表:アレルギー反応を引き起こす化学物質が放出されるメカニズムを解明~アレルギー疾患の治療応用へ期待~

    九州大学 生体防御医学研究所の福井 宣規 主幹教授らは、マスト細胞注1)と呼ばれる白血球が、ヒスタミンといったアレルギー反応を引き起こす化学物質を放出する過程で、DOCK5というタンパク質が重要な役割を果たしていることを世界に先駆けて発見し、その作用機序を解明しました。 花粉症、喘息、物アレルギーといったアレルギー疾患の頻度は年々増加しており、生活の質を低下させるだけでなく、まれに生命を脅かすことさえあります。このアレルギー反応の誘導に深く関わっているのが、マスト細胞です。マスト細胞は、アレルギー反応を引き起こすIgE抗体注2)の受容体であるFcεRIを発現しており、抗原とIgE抗体が結合すると、細胞内の分泌顆粒注3)が細胞表面へ輸送され、顆粒の中に含まれるヒスタミンなどの化学物質が放出されます。これを脱顆粒反応注4)と呼びます。これまでに、分泌顆粒が微小管注5)と呼ばれる管状の構造物に

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    k_wizard 2014/08/14
  • 共同発表:言語の文法処理を支える3つの神経回路を発見

    JSTはこの領域で、脳神経回路の発生・発達・再生の分子・細胞メカニズムを解明し、さらに個々の脳領域で多様な構成要素により組み立てられた神経回路がどのように動作してそれぞれに特有な機能を発現するのか、それらの局所神経回路の活動の統合により、脳が極めて全体性の高いシステムをどのようにして実現するのかを追求します。またこれらの研究を基盤として、脳神経回路の形成過程と動作を制御する技術の創出を目指します。 上記研究課題では、人間の脳における言語の機能分化と機能局在から機能モジュール(文法や意味処理など)の計算原理を明らかにして、モジュール間の結合から神経回路の動作原理の解明を目指します。 <研究の背景と経緯> 言語は、人間の知的機能を支える最も基的な能力です。脳梗塞・脳出血・脳腫瘍などの病気や脳挫傷などの事故によって、言語障害が生じる可能性は高く、QOL(生活の質)や社会復帰にとって重要な課題に

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    k_wizard 2014/04/09
  • 共同発表:脳と脊髄の神経のつながりを人工的に強化することに成功

    脊髄損傷や脳梗塞による運動麻痺患者の願いは、「失った機能である自分で自分の身体を思い通りに動かせるようになりたい」ということです。しかしながら、これまでのリハビリテーション法・運動補助装置では一度失った機能を回復させることは困難でした。今回、生理学研究所の西村 幸男 准教授と米国ワシントン大学の研究グループは、自由行動下のサルに大脳皮質の神経細胞と脊髄とを4×5cmの神経接続装置を介して人工的に神経結合し、大脳皮質と脊髄のつながりを強化することに世界で初めて成功しました。研究成果を日常生活で利用可能な脊髄損傷や脳梗塞などの運動・感覚麻痺に対する新しいリハビリテーション法として応用することを目指します。研究結果は、神経科学専門誌「NEURON」(2013年11月7日のオンライン速報)に掲載されます。 <研究内容> 研究チームは、大脳皮質と脊髄間のつながり(シナプス結合)を強化する目的で、

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    k_wizard 2013/11/08
  • 共同発表「進化の機能」を持った人工細胞の作成に成功

    ポイント 人工細胞の作成は、新たなテクノロジーとして期待されている。 生物の特徴である“進化する能力”を持つ人工細胞を作り出すことに成功。 天然の生物に頼らない効率的な糧や薬剤の生産に貢献。 JST 課題達成型基礎研究の一環として、大阪大学 大学院情報科学研究科 四方 哲也 教授の研究チームは、生物の特徴である「進化する能力」を持つ人工細胞注1)を作り出すことに世界で初めて成功しました。 生物の機能を人工的に再構築した人工細胞の作成は、新たなテクノロジーとして近年大きな注目を集めています。しかし、従来の人工細胞は生物の大きな特徴である進化する能力を持っておらず、その応用範囲は限定されていました。 研究チームは、RNAからなる人工ゲノムと数十種類のたんぱく質などを細胞サイズの油中水滴注2)に封入した人工細胞を作成しました。この人工細胞内では、ゲノムRNAから遺伝情報が翻訳され複製酵素が合成

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    k_wizard 2013/10/07
  • 共同発表:傷ついた脊髄を人工的につないで手を自在に動かす「人工神経接続」技術を開発

    脊髄は、脳と手や足をつなぐ神経の経路となっています。脊髄が損傷し、その経路が途絶えると、脳からの電気信号が手や足に届かなくなり、手や足が動かせなくなってしまいます。今回、自然科学研究機構 生理学研究所の西村 幸男(にしむら ゆきお) 准教授と、米国ワシントン大学の研究グループは、脊髄損傷モデルサルの損傷された脊髄の部分を人工的にバイパスしてつなぐ「人工神経接続」技術を開発。これにより、脳の大脳皮質から出る電気信号により、麻痺した自分自身の手を自在に動かすことができるようにまで回復させることに成功しました。神経回路専門誌「Frontiers in Neural Circuits」(4月11日号電子版)に掲載されます。 <研究内容> 研究グループは、脊髄損傷においては、脊髄の神経経路が途絶えているだけで、脳の大脳皮質からの電気信号を、損傷部位をバイパスして、機能の残っている脊髄に伝えてあげれば

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    k_wizard 2013/04/11
  • 共同発表:人工カプセルでたんぱく質の生け捕りに成功

    ポイント たんぱく質のような巨大分子を閉じ込められる世界初の精密人工カプセル 金属イオンと有機化合物を混ぜ合わせるだけで自然にできる「自己組織化」で作製 たんぱく質の構造解析や機能改変など、産業、創薬分野でのさまざまな用途が期待 JST 課題達成型基礎研究の一環として、東京大学 大学院工学系研究科 応用化学専攻の藤田 誠 教授、自然科学研究機構 岡崎統合バイオサイエンスセンターの加藤 晃一 教授らは、人工的に作り出した直径7ナノ(ナノは10億分の1)メートルのカプセル内部に、たんぱく質を丸ごと閉じ込めることに成功しました。 自然界では、たんぱく質やDNAなどの生体分子が、ウイルスの殻などの巨大なカプセル状の物質に閉じ込められて構造や活性が制御されたり、必要とされる時まで貯蔵されたりすることが知られています。人工的な化学現象でも、有機小分子などがホストと呼ばれる中空分子に閉じ込められて構造や

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    k_wizard 2012/10/03
  • お酒が誘発する鉄系超伝導

    平成22年7月27日 独立行政法人 物質・材料研究機構 Tel:029-859-2026(広報室) 独立行政法人 科学技術振興機構 Tel:03-5214-8404(広報ポータル部) 1.独立行政法人 物質・材料研究機構(理事長:潮田 資勝、以下NIMS)は、鉄系超伝導注1)関連物質であるFe(Te,S)系に超伝導を発現させる際、赤ワインやビールなどのお酒が有効であることを発見した。この成果は、NIMS 超伝導材料センター(センター長:熊倉 浩明)ナノフロンティア材料グループの高野 義彦 グループリーダーらの研究によって得られた。 2.2008年に、東京工業大学の神原 陽一 博士(現在、慶應義塾大学 理工学部 専任講師)らによって、鉄系超伝導体LaFeAs(O,F)が発見された。この発見を契機に、FeAs、FeP、FeSeをベースにした類似化合物に次々と超伝導が見出され、鉄系超伝導は、第二

  • 世界最速、毎秒ギガビット超の非接触メモリカードを開発 動作中の誤使用や劣化にも高い信頼性と安全性を確保

    平成22年6月19日 科学技術振興機構(JST) Tel:03-5214-8404(広報ポータル部) 東京大学 Tel:03-5841-1790(工学部 広報室) 慶應義塾大学 Tel:03-5427-1541(広報室) JST 課題解決型基礎研究の一環として、東京大学 大学院工学系研究科の竹内 健 准教授、慶應義塾大学 理工学部の黒田 忠広 教授・石黒 仁揮 准教授らは、世界最速の毎秒ギガビットを超える、非接触メモリカード注1)を開発しました。 フラッシュメモリ注2)の大容量化により携帯電話やMP3プレーヤー、デジタルカメラが実用化されていますが、携帯電話通信の高速化、画像の高画素化などに伴い、高い信頼性・安全性を持ち、かつ、高速なメモリカードの開発が望まれていました。 CRESTチームは、24チップものフラッシュメモリを同時に並列動作させるメモリ制御システムと、データ通信と電力伝送を

  • 新しい多孔性材料によりアルコールから電気エネルギーの取り出しに成功-白金を使用しない電極触媒の開発と機構解明-

    平成22年6月14日 九州大学 Tel:092-642-2106(広報室) 科学技術振興機構(JST) Tel:03-5214-8404(広報ポータル部) 旭化成株式会社 Tel:0545-62-3111(研究開発センター) 九州大学、旭化成株式会社は共同で、新しい多孔性材料注1)による電極触媒注2)の開発と理論的機構解明に世界で初めて成功しました。今回開発された電極触媒は白金などの貴金属を使用していないことから、安価な電極触媒の開発につながるものと期待されます。これは、北川 宏 教授(京都大学、平成22年3月まで九州大学 招聘教授)、古山 通久 教授(九州大学 稲盛フロンティア研究センター 次世代エネルギー研究部門)、木下 昌三 主幹研究員(旭化成株式会社)らによる共同研究の成果です。 活性炭に代表される吸着剤は、分子を取り込み吸着する役割を果たす物質であり、物質内部に多数の小さな穴(細

  • 鉄鋼のように強い汎用プラスチックの創製

    <研究の背景と経緯> 高分子材料は軽量・安価・高成形性といった利点から広く利用され、世界年産約3億トン弱にも達する重要な材料です。しかし、強度や耐熱性などの材料特性が金属などより著しく劣るために高度な性能要求に応えることができません。その原因は、結晶にならない部分の比率(非晶率注4))の高さにあります。結晶性高分子は長いひも状分子ですが、融液(液体)中で毛玉のように互いに絡み合う部分が多いために、これらが薄い板状結晶にしかなれず、非晶と結晶が層構造を成し「球晶」というゴルフボールのような結晶体になります(図1)。つまり、球晶内には結晶にならず、固化しただけの非晶が半分以上残ってしまうのです。そこで世界中の科学者たちは結晶化度注5)増大の方策を探求してきましたが果たされず、現在に至っています。その難点を補完するために、高強度と高耐熱性などを特長とするスーパーエンジニアリングプラスチック(スー

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    k_wizard 2010/04/20
    材料
  • 電子スピン状態を光パルスで完全制御することに成功― 超高速量子コンピューターの実現への一里塚 ―

    <研究の背景> 量子コンピューターを実現するためには、量子情報を保存するスピンもしくは擬スピン(2準位原子など)を自由に制御する技術を開発しなければなりません。そのために、例えば、ジョセフソン素子注4)や電子スピンを用いた量子コンピューターに対しては、2準位間のエネルギー差に共鳴するマイクロ波が用いられてきました。また、原子や分子、イオンを用いた量子コンピューターに対しては、狭帯域の2のレーザー光が用いられてきました。いずれの方法でも、スピン制御には数ナノ秒~数十ナノ秒以上の時間を必要とします。スピンに保存された量子情報は、通常1マイクロ秒~10マイクロ秒(1マイクロ秒=10-6秒)のデコヒーレンス時間注5)で失われてしまいます。従ってこの場合、量子情報が消失してしまう前にできる演算の最大回数は1,000回以下に制限されます。これが量子コンピューターを実現する上での最大の障害でした。山

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