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ブックマーク / courrier.jp (217)

  • 漫画大国フランスがついに「少女漫画」の魅力に気づきはじめた | 70年代の日本作品が半世紀を経て上陸

    世界第2位の「漫画消費国」といわれるフランス。日漫画が絶大な人気を誇るなか、これまであまり評価されてこなかったのが少女漫画だ。だが、ついに「shôjo」にも光が当てられはじめた。それには、熱烈なファンの力もある。 「絶対にアングレームに行かなくては」──ブログ「Club Shôjo」の管理人、オードリー・マニスカルコはそう決意していた。彼女が興奮する理由は、漫画家・萩尾望都(はぎお・もと)の来仏だ。2024年1月、フランス南西部の街アングレームで開催されたヨーロッパ最大級の漫画の祭典「アングレーム国際漫画祭」では、彼女の栄誉を称え、特別回顧展が催された。 1949年生まれの漫画界の巨匠、萩尾望都は、永遠の若さに囚われた吸血鬼一族を描いた『ポーの一族』(小学館)の作者だ。1970年代に日で出版されたこの傑作がフランスに上陸したのは、2023年になってからだった。フランス語版を出版したアカ

    漫画大国フランスがついに「少女漫画」の魅力に気づきはじめた | 70年代の日本作品が半世紀を経て上陸
  • 『NARUTO』がフランスで育てた「二次創作の文化」とコミュニティ | 孤独な趣味だった「マンガ」を変えた

    深い物語について語り合える空間 「CaptaiNaruto」のアドリアンによれば、『NARUTO-ナルト-』は何時間もの議論を生み出すような作品だという。「物語の象徴性や各編の結末についてなど、ストーリーそのものが無限の会話を誘うのです」と彼は指摘する。 さらに、「その世界観と神話的な内容は、日文化への素晴らしい入り口にもなっていました」と続ける。また、このサイトと掲示板の投稿者の一人が、作品に関する哲学的なコラムを書いていたと振り返る。 「インターネット上のコンテンツや話題は、作品を越えて、その世界観を維持させる方法でもあります。たった30分で終わってしまう一話分の放送や、短時間で読み切ってしまう一巻分の内容を超えることができるのです」と「The Way of Naruto」のdabYoは説明する。 しかし、話は木の葉の里などからは遠く離れ、社会問題にまで飛び火することもあり、しばしば

    『NARUTO』がフランスで育てた「二次創作の文化」とコミュニティ | 孤独な趣味だった「マンガ」を変えた
  • 英紙記者がスタジオジブリに乗り込んだ「本当にこれが最後の映画ですか?」 | 宮﨑アニメの時代は終わったのかもしれない…

    これまで何度も「引退宣言」をしてきた宮﨑駿。映画『君たちはどう生きるか』は、当に最後の宮﨑作品になるのだろうか? そこで英「ガーディアン」紙の記者がスタジオジブリを訪問。プロデューサーの鈴木敏夫や今回の作品でアニメーターを務めた田雄、そして息子の宮崎吾朗に気になるジブリのこれからを聞いた。 2016年7月、宮﨑駿が鈴木敏夫に近寄り、もう一映画を作りたいと言った。このとき、鈴木は気乗りしなかった。「『絶対ダメ。良くない思いつきです』と僕は言ったんです」。鈴木はこう振り返る。それには彼なりの理由があった。 「立派な監督が、もう一すごい映画が作れるんじゃないかと思いたち、失敗するのをいっぱい見てきましたから。彼が同じ轍を踏むのは見たくなかったんです」 そのうえ、宮﨑はすでに最後の映画を作ったことになっていた。その3年前、高く評価された『風立ちぬ』の公開に続いて、東京での満員の記者会を開い

    英紙記者がスタジオジブリに乗り込んだ「本当にこれが最後の映画ですか?」 | 宮﨑アニメの時代は終わったのかもしれない…
  • 埼玉のクルド人街は日本の「移民政策の愚かさ」を物語っている | 在日クルド人コミュニティ「ワラビスタン」を取材して

    トルコ系クルド人が集住する埼玉南部、通称「ワラビスタン」を英誌が取材。外国人労働者に依存しながらも彼らを歓迎しない日の移民政策は愚策だと指摘している。 クルド人の数が10年で4倍に 東京の北にある埼玉県蕨(わらび)市の教室で、11歳の少年が日語でおしゃべりしながら「川」と「木」の漢字を書く練習をしている。別に珍しくもない光景だ。その少年、ボランが日人ではなくクルド人ということを除けば──。 蕨市とその周辺地域には約2000人のトルコ系クルド人が暮らしており、その数はこの10年で4倍に増えた。通りにはケバブ屋が軒を連ね、ゴミの分別方法がトルコ語で書かれている。地元では「ワラビスタン」と呼ばれている地域だ。 このコミュニティは、ここ数十年における日の最大の社会的変化のひとつを物語っている。高齢化が進んで労働人口が減少する日では、新たな人材が切実に求められているが、日政治家はいまな

    埼玉のクルド人街は日本の「移民政策の愚かさ」を物語っている | 在日クルド人コミュニティ「ワラビスタン」を取材して
  • 安倍元首相銃撃は数十年にわたり「蓄積された悲劇」の果てに起きた | 米記者が見た自民党と旧統一教会の“偽善”

    安倍晋三は人生最後の日の朝、奈良にいた。 五重塔で知られる古寺と、神の使いの鹿で有名なこの地方都市にやってきた目的はいかにも事務的で、市内の主要駅に面した街路の広い交差点で、地元選出の国会議員の再選を訴える応援演説をするためだった。 安倍は2年前に首相を辞任していたが、日の歴代首相で最長の在任記録を持つ彼の名前には非常に大きな重みがあった。その日は2022年7月8日だった。 詰めかけた群衆が撮影した写真を見ると、後ろになでつけられた髪、チャコールの眉、気さくな笑みで安倍人とすぐ認識できる男性が午前11時30分頃、急ごしらえの演壇に上がり、片手でマイクを握る姿がうつっている。 その周囲を自民党支持者の集団が取り巻いていたが、安倍の後方に立つ男に気づく者は誰もいなかった。グレーのポロシャツにカーゴパンツ姿で、黒いストラップを肩にかけていた。男は他の群衆が拍手を送るなか、ただ立ち尽くしていた

    安倍元首相銃撃は数十年にわたり「蓄積された悲劇」の果てに起きた | 米記者が見た自民党と旧統一教会の“偽善”
  • 英紙の皮肉「大阪万博の混乱はドキュメンタリー番組の最高のネタだ」 | この時代に万博を開催する意味はあるのか

    建設費の膨張、参加予定国の撤退など混乱の大阪・関西万博について英紙「フィナンシャル・タイムズ」が皮肉めいたコラムを掲載。その手に汗握る展開は、まるでドキュメンタリードラマを観ているようだと揶揄する。 会場はいまだ「殺風景な駐車場」 メキシコとエストニアは撤退を表明したが、デンマーク、カメルーン、ジャマイカはまだ参加を希望している。 建設費のあまりの急騰ぶりに、ブラジル、アルゼンチン、ポーランドは、自国のパビリオンを簡素な「倉庫タイプ」へ変更することを検討中だと伝えられる。 欧州のある国は、日最大手の建設業者から「希望通りのパビリオンを作ることはできるが、完成は万博が閉幕してから1ヵ月後になる」と告げられたらしい。 ドキュメンタリードラマのシリーズを一気見できる時代にあって、2025年大阪・関西万博の開催準備は「完璧」な進捗を見せている。主催者側が全力で頑張れば、2シーズン分のボックスセッ

    英紙の皮肉「大阪万博の混乱はドキュメンタリー番組の最高のネタだ」 | この時代に万博を開催する意味はあるのか
  • 最低賃金が安い熊本県菊陽町で給与高騰…英紙が見た「台湾TSMC工場」の衝撃 | 止まらない専門人材の流出

    台湾積体電路製造(TSMC)の工場建設が日で始まってから、地元の熊県菊陽町は賃金や地価の高騰、人材不足など、さまざまな問題に直面しているという。世界的な半導体製造企業の進出は、最低賃金が日で4番目に低い熊県の経済をどう変えるのか。現地を取材した英紙は、「菊陽町の変化は、日が抱える課題の縮図だ」と指摘する。 熊県菊陽町で始まった新たな時代を、地元の人々は「TSMCショック」と呼ぶ。 2022年4月、半導体受託製造の世界最大手・台湾積体電路製造(TSMC)が日国内初となる工場の建設を開始した。以来、この小さな町とその経済は劇的に変化しつつある。 吉孝寿・菊陽町長は紙の取材にこう語る。 「TSMCの到来は寝耳に水でした。菊陽町が突然、有名になってしまって、まるで私たちの町が赤ん坊から急に大人になったようです」 「TSMCショック」は日の課題の縮図 半導体の供給をめぐる地政学的

    最低賃金が安い熊本県菊陽町で給与高騰…英紙が見た「台湾TSMC工場」の衝撃 | 止まらない専門人材の流出
  • 低賃金に言葉の壁… そんな日本で働きたい外国人なんてまだいるの? | 英有力紙に在日ライターが寄稿

    人口減少と高齢社会への解決策として、日では外国人労働者の受け入れに関する議論が活発化している。 だが、単に熟練外国人労働者を受け入れれば問題は解決するのか? そもそも賃金水準が低めのうえに言葉の壁もある日で働きたい人材はいるのか? 日で取材活動をしているフリーランスライターのギャビン・ブレアが英紙「ガーディアン」にこうした疑問を提起する記事を寄稿した。 有資格者の就職を阻む言葉の壁 日の蒸し暑い夏のなか、ITスペシャリストの資格を持つスリランカ出身のムルムルは、建設現場で毎週末働いている。パン店でも仕事をしているが、収入を補うためだ。東京にやってきたのは1年前。人口危機対策と外国人労働者の受け入れ増加に向けた取り組みの一環として創出された雇用機会を生かそうと考えていた。 だが、それは大変なことだった。人手不足とされているのに、自身にも理学療法士の資格を持つにも、立ちはだかったのは

    低賃金に言葉の壁… そんな日本で働きたい外国人なんてまだいるの? | 英有力紙に在日ライターが寄稿
  • 黒人の少女だけ「ガン無視」されたメダル授与式 「胸が張り裂ける」動画 | アイルランドの体操競技会で

    一列に並んだ若い女子体操選手たち一人ずつの首にメダルをかけていく審判。だが黒人の少女の前だけ素通りして、彼女にメダルを与えなかった──これは2022年3月にアイルランドで開催された競技会での表彰式の動画だが、数日前からツイッターで拡散され、国際的な批判を浴びている。 Welcome to Ireland where people get away with racism! This little black girl broke my heart. Don’t skip this post without leaving a million heart for her. Make her famous… pic.twitter.com/YYMIP1IALZ — Mohamad Safa (@mhdksafa) September 22, 2023 カメラマンやコーチなど、その場にいた大人の

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  • フィル・ザッカーマン「世界全体で宗教の衰退が起きている」 | 近代化は宗教にとって都合が悪い

    2022年、ドイツでは50万人超という記録的な数の人がカトリック教会を離れた。フランスでも、国立統計経済研究所と国立人口学研究所の調査で初めて、国民の過半数が無宗教だという結果が出た。英国でも国民の過半数がキリスト教徒でないことがわかった。米国は聖書と結びついた国だが、それでも成人の3分の1が無宗教だ。チュニジアでも無宗教の人は、2013年の13%から増加し、2019年には30%になっている。 近代化と技術進歩の結果、宗教は衰退せざるをえない──。それが1970年代まで、社会学の世界の通説だった。ところがこの数十年は、宗教の復権を語る知識人が目立っていた。 プロテスタントの社会学者ピーター・L・バーガーは、「いまの世界は、これまでの世界と同じように強烈に宗教的だ」と主張した。イスラム世界を研究する学者のジル・ケペルも「宗教の逆襲」を語った。たしかにイスラム原理主義やキリスト教福音派の勢力の

    フィル・ザッカーマン「世界全体で宗教の衰退が起きている」 | 近代化は宗教にとって都合が悪い
  • 英紙が憂慮…日本が誇る「質の高いおもてなし」が劣化していく | 行列はのび、注文は来ない…

    深刻な労働力不足によって、日の小売店や飲店は質の高いサービスを維持することが難しくなっている。これまで、便利さや快適さを当たり前のように享受してきた日人も変わらざるをえないと、英紙は指摘する。 ある日曜日、郊外の広々としたレストランは、朝をとりにやってきた地元客で賑わっていた。 サービスはのんびりとしたもので、パンケーキが運ばれてきたときには、人類に原始の時代から備わる「ありがたい!」という気持ちがわき上がってきた。注文から実に22分が経過していた。 イタリアのジェノバか、ギリシャのサントリーニ島といったリゾート地ならまだわかる。だがスローフードを体現したようなこのレストンランは、横浜近郊にあるマクドナルドなのだ。 日のサービスの質は強み、かつ弱み マクドナルドの従業員は、何も意図的にゆっくりと働いているわけではない。むしろ店側は申し訳なさそうだった。店がすこぶる繁盛しているのに

    英紙が憂慮…日本が誇る「質の高いおもてなし」が劣化していく | 行列はのび、注文は来ない…
  • ジャニー喜多川は少年たちを手なずける「グルーミングの達人」だった | 子供の純粋な気持ちにつけ込む巧妙な手口とは

    多くのテレビ局プロデューサーはいまも、ジャニーズJr.が寝泊まりしていた「合宿所」こと喜多川の自宅マンションで長年続いていたことに見て見ぬふりをする。 局内には、ジャニーズ事務所を怒らせることへの恐怖と忖度の入り混じった空気が漂っていると、あるキー局のプロデューサーは話す。誰に言われるともなく、喜多川のやったことは口にしてはならないという、暗黙の了解があるというのだ。 ジャニーズ事務所に入ったものの、売れっ子になるための代償を知って逃げ出した有名スターを知っていると、このプロデューサーは話す。

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  • ジャニー喜多川という“傀儡師”に操られ、踊らされた国 | 日本はなぜ少年たちを守れなかったのか

    いったい何百人が被害に… 芸能の世界の“傀儡師”ジャニー喜多川。その喜多川から性的虐待を受けたという最初の告発と直近の告発の間には、人の一生の半分ほどの歳月の隔たりがある。 1988年、元フォーリーブスの北公次が、自分やほかの10代の少年研修生が喜多川の性の餌になったとスキャンダラスに告発した。フォーリーブスは喜多川の芸能プロダクション「ジャニーズ事務所」の最初期に人気を博したグループの一つだ。 北公次のその著書『光GENJIへ』を皮切りに別の告発も相次いだ。元ジャニーズの中谷良が出版した『ジャニーズの逆襲』でも少年たちへの虐待は書かれた。1990年代にも、『ひとりぼっちの旅立ち──元ジャニーズアイドル豊川誕半生記』を著した豊川誕など、さらに数名の研修生が同様の虐待を受けたことを公にした。 北公次の告発から三十数年後の今年4月、元ジャニーズJr.のカウアン・オカモトが日外国特派員協会

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  • アドルフ・ヒトラーはそもそもなぜ「ユダヤ人」を憎んだのか? | 諸説と歴史的な文脈をイスラエル紙がわかりやすく解説

    アドルフ・ヒトラーがあれほどユダヤ人を憎悪し、虐殺したのには個人的な理由があったのではないかと、これまでさまざまな説が提示されてきた。だがヒトラーを歴史的な文脈で捉えると、異なる理由が見えてくる。イスラエル紙「ハアレツ」のユダヤ人記者が簡潔にまとめる。 アドルフ・ヒトラーがユダヤ人を憎んだ原因を問わずして、ホロコーストを考えることはできない。 彼の政治綱領である『わが闘争』ではその憎しみの説明に紙幅がかなり割かれており、その憎しみは熱狂的なドイツ国家によって明白に共有されたものだった。とはいえ、ヨーロッパのユダヤ人に対するその行為が、性質と規模の両面であまりに途方もないものだったために、研究者らがもっと個人的な原因を探そうとしたのも当然ではあった。 ヒトラーの行為を説明する何らかの深く個人的で心理的な傷があったという証しを探して、学者やその他の人々が入手できるあらゆる証拠を調べたのも無理は

    アドルフ・ヒトラーはそもそもなぜ「ユダヤ人」を憎んだのか? | 諸説と歴史的な文脈をイスラエル紙がわかりやすく解説
  • クルーズ船はもういらない─世界の有名寄港地がパンデミック後に態度を変えている理由 | 「割に合わない」構図からの脱却

    バルセロナに入港するクルーズ船 Photo: David Zorrakino / Europa Press / Getty Images 新型コロナウイルスの世界的な流行による大打撃から、ゆるやかに回復しつつある観光業界。しかし、旅の形は時代や人々の意識によって変わっていく。観光業界や観光地の自治体のなかには、数年間の「休止期間」の後、すべてを元に戻そうとするのではなく、新たな枠組みを整備しようとする動きが見られる。特に、パンデミック前には大きな恩恵とみなされていたものが、実は弊害ばかりだったと判明したケースがある。 その顕著な例の一つが、大きなクルーズ船だ。欧州メディア「ユーロニュース」によると、欧米の観光地の港湾都市では、パンデミックによる規制がなくなり、観光客の受け入れが再開しても、引き続きクルーズ船の入港を制限したり、さらに規制を厳しくしたりする例が跡を絶たないという。 2021年

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  • 「5人に1人」が処方される“恐怖のクスリ” | 金に目の眩んだ米製薬会社の「罪」を追う

    1996年、米国で、オピオイド系の麻薬性鎮痛薬「オキシコンチン」が発売された。その年、医学誌にはこんな広告が掲載されている。 2つのカップがスポットライトに照らされていて、片方には「朝8時」、もう一方には「夜8時」と書かれている。そして、キャッチコピーがひとつ。 「たった2錠で、痛みが和らぐ」──。 新薬で見た「地獄」 オキシコンチンが発売された当時、42歳の主婦だったエリザベス・キップは、とある米カンザス州カンザスシティの医師を訪れた。 彼女は14歳のときに乗馬大会の練習中に落馬して以来、ずっと腰痛に悩まされてきていた。それからというもの、短時間作用型の鎮痛剤をずっと服用してきたが、その日、医師に新しい薬を試してみないかと提案された。 オキシコンチンを12時間ごとに1錠服用する、というのが医師の指示だった。彼女は、その指示をしっかり守ったという。 「科学者気質だから、こういうことは厳格に

    「5人に1人」が処方される“恐怖のクスリ” | 金に目の眩んだ米製薬会社の「罪」を追う
  • 700万人の健康を破壊したオピオイド薬害の「犯人」を暴く! | 全米史上最多の乱用者を生んだメーカーの「嘘」

    医療用麻薬の最大手である米薬品メーカー、パーデュー・ファーマ社が販売する鎮痛薬「オキシコンチン」は、強烈な痛みに苦しむ患者を救う“夢のクスリ”となるはずだった。だが、現実には「米国史上、最も乱用されている薬品」のひとつとなっているという。 これは、いま非常事態が出されたオピオイド系薬品の代表格である。“ヘロインのいとこ”とも言われるこの薬は、いかに開発され、爆発的なヒットを記録し、そして、悲劇的な数の乱用者を生み出したのか。その答えの大元には、パーデュー社が吐きつづけた「ひとつの巨大な嘘」があった──。

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  • Mochi(餅)に魅せられたスペイン人作家がたどる「餅の歴史」と「餅つきファンの聖地」 | 「これほどスピリチュアルなファストフードはなかなか見当たらない」

    近年、モチアイスやモチドーナツなどの人気とともに、欧米でも「Mochi」という日語が広まりつつある。スペイン人作家の筆者がつきのパフォーマンスで有名な奈良の老舗和菓子店を訪れ、Mochi(と奈良の鹿たち)について愛情深く語った。 「よもぎ」はおそらく、世界で最も由緒ある菓子のひとつだろう。この日菓子は、奈良にある和菓子店「中谷堂」でも作られている。 中谷堂では古来の技術や道具を使った作りがおこなわれており、その光景を見物しようと、連日大勢の観光客が詰めかける。日全国にその雄姿を知られるつきの名人、中谷充男の熟練の技に、誰もが畏敬の念を抱かずにはいられない。 この店の名声は、同店の名物であるよもぎのドラマティックな製造工程によるものだ。中谷堂では、つきたてのから何百個、何千個ものよもぎを作るために、職人が骨身を惜しまず伝統的なつきの手法に従っている。 丸い形をした

    Mochi(餅)に魅せられたスペイン人作家がたどる「餅の歴史」と「餅つきファンの聖地」 | 「これほどスピリチュアルなファストフードはなかなか見当たらない」
  • 仏紙が追った『君たちはどう生きるか』公開までの10年間 | 巨匠 宮﨑駿の引退宣言から復活まで

    2023年7月14日に封切られた、スタジオジブリの最新作『君たちはどう生きるか』。2023年末には北米での公開も決まっているが、この作品をどこよりも心待ちにしているのは、公開日未定のフランスかもしれない。日での公開直前に仏紙「リベラシオン」は2ページにわたる長文記事を掲載。2013年の「引退宣言」から今作公開までの、宮﨑駿と鈴木敏夫、スタジオジブリの10年間を追った。 君たちはどう生きるか──。日アニメ界の巨匠、宮﨑駿の12作目となる最新作のタイトルである。日での公開日は7月14日。大御所から若い世代への最後のメッセージとでもいうべきものなのだろうか。 「長編映画としては、おそらく宮﨑駿の最後の作品になるのではないか」。スタジオジブリの伝説的プロデューサー、鈴木敏夫は近刊の『スタジオジブリ物語』(集英社)でそんなことを語っていた。 『君たちはどう生きるか』は、もともと1937年に出版

    仏紙が追った『君たちはどう生きるか』公開までの10年間 | 巨匠 宮﨑駿の引退宣言から復活まで
  • 韓国のエンタメ業界が「ネットフリックスに搾取されている」ことに気づきはじめた | 制作現場の環境はいっこうに改善せず…

    ネットフリックスの大ヒット作『イカゲーム』は、同社にしてみれば「とてもコスパのいい買い物」だった。 韓国国内ではまったく買い手がつかなかった同作の脚に、ネットフリックスは賭けたのだという。 全9話完結で1話あたりの制作費は約240万ドル。米紙「ロサンゼルス・タイムズ」によれば、別のヒット作『ストレンジャー・シングス』の全制作費の約4分の1だったという。それでいて同作は6つのエミー賞を受賞し、公開初日から28日間で16億5000万時間も視聴され、ネットフリックス史上最高記録を樹立。これにより同社の企業価値は推定9億ドルまで急上昇した。 ところが、作家兼監督のファン・ドンヒョクの生活は、多少上向いたものの「大きな変化はない」。 なぜなら、同作の「知的財産権をネットフリックスに譲渡する」契約を交わしたからだ。この契約上、最初の放送後に作品が再放送される際に作家や監督、俳優らが受け取れる「ロイヤ

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