国際的に広がったセクハラへの抗議運動「#MeToo」。日本の集会で発言する女性=2018年4月、東京 アメリカ大統領選が近づくにつれ、4年前のヒラリー・クリントンの敗北が思い出される。ヒラリーは敗北宣言で「これを見ている小さな女の子たち、あなたが価値のある力強い存在で、この世界で夢を追いかけて達成するチャンスに恵まれるべきだということを、けっして疑わないでほしい」と呼びかけた。熱いものが込み上げてくるのを感じながら、私もヒラリーの演説に聴きいった。 『WHAT HAPPENED 何が起きたのか?』はヒラリーによる大統領選敗北をめぐる冷静な分析と自己反省の本だ。「わたしは多くの人が――それこそ何百万人もが――わたしのことを嫌いなのだという結論に達した」。これほど多くの人に拒絶されたのは、具体的に何をしたからなのかと自問する。 それは、大統領選に立候補したからだとヒラリーは気付く。仕事では評価