![これは紅麹や小林製薬というより「機能性表示食品制度」の問題だ](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/b972c117d34c81094559e3664cd0cdc33bbafb18/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbusiness.nikkei.com%2Fatcl%2Fgen%2F19%2F00562%2F041800041%2Ffb.jpg)
小田嶋隆さんが他界したその日(2022年6月24日)、私は新型コロナに罹った。 そのため翌週末に催されたお別れ会にも参列できず、自宅にこもり、ひとり悲しみに暮れるほかなかった。6月末、自社のウェブ雑誌の毎月末にその月をふりかえるコーナー(「今月と来月」)で、私はこう綴った。 47歳の誕生日を迎えたその日に僕はコロナになり、小田嶋隆さんがお亡くなりになった。数日間、ひたすら寝て過ごした。幸い、軽症で済み、体調が戻ってきた今週はずっと悲しみに暮れている。悲しみを実感するにも、ある程度の体力が要ることを知った。 小田嶋さんに出演いただいたイベントを見直したり、小田嶋さんが影響を受けた音楽や本たちを粛々と追っている。創業期からお世話になった方だが、ただの一つも嫌な思い出がない。ほんの少しであれ気分を害するような経験をしたこともない。不思議なことに。 少年のようなおじさん。そう称されるのをしばしば耳
大企業を中心に、報酬の透明性や納得感を高めようと制度改革の動きが相次いでいる。その背景には、雇用形態ごとの待遇格差是正や、同一労働同一賃金の徹底を求める機運が高まっていることも影響している。 バブル崩壊後の日本企業は、一部の正社員の雇用を守るために、労働コストが安く、かつ調整の効く非正規労働者を活用してきた。終身雇用と年功序列の賃金制度を組み合わせた日本型雇用が生きながらえてきたのは、非正規労働者の存在があったからだとも言える。 しかし、こうした労働市場のゆがんだ構造は、日本企業の生産性低下を引き起こし、低賃金の仕事にしか就けない人を大量生産してしまった。 待遇格差を是正せずして、日本全体の賃上げは実現しない。だが、正社員に対し、働きに応じた報酬制度を設定するほど、非正規労働者との間にある不合理な格差があぶり出されていく。 「同一労働同一賃金の思想を取り入れ、今後も人事制度全体の在り方を見
ウクライナは、ロシアが築いた強力な塹壕(ざんごう)による防衛線を突破できず苦しんでいます。ザルジニー総司令官は英誌エコノミストの取材に「このままでは長期戦は必至。そうなれば敗戦が濃厚になる」と答えていました。 苦戦が生み出す内部分裂 3歩しかないというのは厳しいですね。 小泉氏:西側からの支援が遅れ、苦戦が続く中で、ウクライナ内部で結束の乱れが目立つようになってきました。まず、ゼレンスキー大統領とザルジニー総司令官との間に隙間風が吹いています。 加えて、アレストビッチ元大統領府長官顧問がX(旧ツイッター)上でゼレンスキー大統領を激しくののしっています。23年1月に失言のため解任されたのを逆恨みしての行動と見られます。 アレストビッチ氏は、もし大統領選挙を実施するのであれば立候補するとして、公約も発表しました。この中で注目すべきものとして「被占領地の軍事的奪還を求めない」があります。これを条
稲田俊輔さんは、南インド料理専門店「エリックサウス」の総料理長にしてナチュラルボーン食いしん坊。鹿児島県生まれで京都大学に進学し、在学中は1Kのコンロ1つの下宿を「ベッド付きキッチン」に改装してテーブルにカセットコンロを増設、招いた友人にフレンチのフルコースを振る舞っていた、とのこと。 卒業後に酒類メーカーを経て友人に誘われ飲食店の経営に携わり、そこで手がけた南インド料理の店がヒット。現在のブームの火付け役となりました。エッセー、レシピから小説、そしてSNSまで旺盛に執筆・発信をされており、近著に『食いしん坊のお悩み相談』(リトル・モア)、『ミニマル料理 最小限の材料で最大のおいしさを手に入れる現代のレシピ85』(柴田書店)などがあります。今回は最新刊となる『お客さん物語 飲食店の舞台裏と料理人の本音』(新潮新書)のお話を中心に伺ってきました。 初めまして。稲田さんのTwitter、今はX
「親の介護」と聞いただけで、目をそらしたくなる。あるいは、せっかく親のために介護をしているのに、感謝されず、自分もキツい言葉を投げてしまう。 それは、あなたが「介護=親孝行=親のそばにいる」ことだ、と思っているからかもしれません。介護を介して自分が愛する親を憎んでしまうことは、残念ながらよくある話です。そんなお互いに辛い状況に陥る前に、あえて「親不孝介護のススメ」をさせてください。介護の常識は、日常の、そして仕事の常識とは大きく違うのです。 「親と距離を取る」、第三者から見たら『親不孝』に見えるやり方こそ、実は正しい親の介護です。関係ない人が何を言おうが放っておきましょう。そもそも、子どものあなたが朗らかに、家族と暮らし、仕事に励んでいる姿こそが一番の「親孝行」ではないでしょうか。 ブリヂストン、電通などの大手企業の社員の介護コンサルティングを行っているNPO法人となりのかいご代表、川内潤
夏休み真っ盛り。最近の小学校では授業時間確保のため、昔のように8月いっぱいはお休みとする学校は少なくなってきています。受験生にとって夏は、塾や自宅学習でグンと学力を伸ばす時期。この夏の頑張り次第で志望校をガラリと変えるご家庭も出てくると思います。 中学受験の志願者数が増えたといわれる首都圏。最難関の男女御三家や共学上位校は相変わらずの人気が続きます。しかし、人気なのは御三家や上位校だけではありません。ここ数年、これらの学校をしのぐ勢いで多くの志望者を抱える人気校が登場しています。その一つが、豊島区にある豊島岡女子学園 中学校・高等学校(以下、豊島岡女子)です。 豊島岡女子は特に理系教育で注目されており、医学部や薬学部といった理系学部へと進学する生徒が多いことでも有名な学校です。同校の2022年の系統別大学合格者の割合は、1位が理学・工学部(25.9%)、2位が医学部(16.5%)となってお
日経ビジネス電子版で「『ア・ピース・オブ・警句』~世間に転がる意味不明」、日経ビジネス本誌では「『pie in the sky』~ 絵に描いた餅べーション」を連載中のコラムニスト、小田嶋隆さんが亡くなりました。65歳でした。 小田嶋さんには、日経ビジネス電子版の前身である日経ビジネスオンラインの黎明(れいめい)期から看板コラムニストとして、支えていただきました。追悼の意を込めて、2021年11月12日に掲載した「晩年は誰のものでもない」を再掲します。 時の権力者だけでなく、社会に対して舌鋒(ぜっぽう)鋭く切り込む真のコラムニスト。その小田嶋さんがつむぐ1万字近い原稿を、短い言葉でどう表現するか。記事タイトルを短時間で考える担当編集者にとっては、連載の公開前日は勝負の1日でもありました。 再掲載するコラムは療養中の病室から送っていただいた原稿です。「晩年」という言葉やそれを何も考えずに使う社
「我が国では、年間自殺者が3万人を超えるなど、『国民のこころの健康の危機』と言える状況が続いています」(2010年4月3日、厚生労働省「こころの健康政策構想会議発足式」リリースより)。3月には「お父さん 眠れてる?」というポスターがあちこちに貼られました。「2週間以上続く不眠は、うつのサインかもしれません」。あなたは、そしてあなたの親しい人は、よく眠れているでしょうか。 この自殺数の異常な高止まりは、まさしく緊急事態です。日本で精神救急医療を立ち上げた精神科医、計見一雄さんに、この事態に対してなにかできること、知っておくべき事はなんなのか、伺ってきました。余談ながら、私は氏のべらんめぇな語り口が大好きなのですが(味わいたい方は『統合失調症あるいは精神分裂病 精神病学の虚実』などでどうぞ。この本は書名の印象に反してとても面白くて分かりやすい!)、今回は状況の深刻さを反映してか、静かで、迫力が
1966年東京都生まれ。早稲田大学探検部時代に執筆した『幻の怪獣・ムベンベを追え』でデビュー。タイ国立チェンマイ大学日本語科で講師を務めたのち、ノンフィクション作家に。2005年、『ワセダ三畳青春記』で第1回酒飲み書店員大賞を受賞。13年、『謎の独立国家ソマリランド』で講談社ノンフィクション賞、梅棹忠夫・山と探検文学賞を受賞。近著に『幻のアフリカ納豆を追え! そして現れた〈サピエンス納豆〉』。(写真=竹井俊晴) 欧米や新興国の経済成長から取り残されて、日本は貧しくなったといわれます。30年以上、海外渡航を続けられていますが、実感することはありますか。 高野秀行氏(以下、高野氏):感じるどころではありませんね。この10年、15年ぐらいの日本の沈没ぶりにはまあ、すさまじいものがあります。成田空港ほどみすぼらしい国際空港は探してもなかなか見つかりませんよ。 現在のアジア各国の空港は巨大で豪華です
米アップルのスマートフォン「iPhone」の発売日にはアップルストア前に長蛇の列ができるのが、日本でも恒例だ。だが、今年9月24日のiPhone 13発売日は、新型コロナウイルス対策のため来店が予約制となったことで、行列はほとんど見られなかった。 しかし、行列が鳴りを潜めた理由はコロナ禍だけではない。調査会社のBCN(東京・千代田)が家電量販店などの販売データを基に集計した販売台数ランキングによると、10月に入り最新のiPhone 13シリーズ(最安のiPhone 13 miniで8万6800円から)の販売数減速が目立つ。 代わりに台頭するのが廉価版のiPhone SE(第2世代、4万9800円から)だ。iPhone全体に占める販売割合は約4割だという。
(前回から読む) 2002年、取引先だった雪印食品が外国産牛肉を国産と偽っていたとしてその悪行を告発した西宮冷蔵社長の水谷洋一さん。あれからもうすぐ20年がたつ。雪印グループは、水谷さんの告発によって不正に関わった関係者が逮捕され、実質的に解体されることとなった。 しかし、水谷さんの人生も暗転してしまった。 告発後、雪印食品以外の荷主から「申し訳ないけど、もう預けられない」などと言われ、詳しい理由を告げられないまま、9割の荷物が消えていった。西宮冷蔵は、国から「当時、偽装伝票を作るなど、不正に手を貸した」などとして1週間の業務停止命令処分を受けた。 資金繰りに窮し、告発から約10カ月後に休業に追い込まれた。告発したのに、まさか、自分が国から業務停止命令を受けるとは──。政官財が連携し、大企業に刃向かえばこうした仕打ちを受ける、という見せしめだと感じた。 不当な圧力には屈しない。「負けへんで
2050年のカーボンニュートラルに向け、ガソリンエンジン車からの転換が急激に進む自動車業界。電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)などのモーター駆動に変わると自動車の内部構造が一変する。自動車部品を提供するメーカーはこの波にどう対応していくのか。回転軸を支える部品である軸受け(ベアリング)の大手、日本精工(NSK)の戦略を探る。 こう明かすのは、NSKの自動車事業本部で駆動系の軸受けを担当する尾崎美千生執行役だ。軸受け販売が減る最大の理由は、変速機(トランスミッション)を搭載する自動車が減ること。多数の歯車や軸で構成する変速機は、エンジンの出力を適切なギアで車輪に伝えるための装置であり、そこに使われる軸受けの数は一般に1台当たり30~50個程度とされる。 自動車1台には100~150個程度の軸受けが使われている。その3割程度を占める変速機は、摩擦の少なさや高速回転への対応など、軸受けメー
東北沢駅、下北沢駅、世田谷代田駅の3駅1.7㎞の区間に、13の個性的な施設が立ち並ぶ。線路跡ということで細長い敷地だが、延べ2万7500㎡もある。 鉄道会社の典型的な開発手法は、大きな建物をつくり、自社グループのスーパーマーケットや全国チェーンの小売店、飲食店を入れるというもの。小田急もこれまで、同じような手法を採ってきた。しかし、下北線路街は違う。商業施設ではあえてチェーン店を入れず、個人経営の店を集めた。温泉旅館や学生寮など、今まででは想像できないような施設もある。 通常の10倍の手間 まちづくり事業本部エリア事業創造部の橋本崇課長は「通常のテナント誘致と比べると、10倍の手間はかかっている」と話す。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く