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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/reizei (6)

  • フロリダの悲劇で大問題に発展した「正当防衛法」とは?

    2月にフロリダ州中部のサンフォードで発生した、住宅地の自警ボランティアによる黒人少年の射殺事件ですが、その後、このジョージ・ジマーマンという28歳の行為に関しては、全米を揺るがす論争に発展しています。 この問題ですが、白人が黒人を撃ってしまい、保守派は正当防衛を主張、一方でリベラルは有罪を要求するというような「典型的な」議論とは相当に異なっています。 問題を複雑にしているのは、2つの要素です。それは、ジマーマンという男性が白人でなくヒスパニックであること、もう1つはフロリダ州など南部に多い「正当防衛法(スタンド・オン・ユア・グラウンド・ロー)」が絡んでいるという点です。 やや大雑把な言い方になりますが、仮に今回の事件が「白人が撃った」ケースであれば、これほどの騒ぎにはならなかったと思われます。今回のような相当に一方的な射殺ということでもそうです。というのは、現在の大統領は黒人のオバマであり

  • あのアメリカですら自国国旗の焼却が禁じられていない理由

    たびたび、大阪の橋下市長がらみの話題で恐縮ですが、国体(国のかたち)を考える上での良いレッスンになるのではと思い取り上げます。今日は、国旗国歌への態度と「国際社会」の関係についてです。 今週の市長の発言の中に、「国歌斉唱の際に手を前に組んでいるのは失礼で、国際社会では許されない」という主旨のものがありました。この種のものとしては、スポーツ選手などが海外での試合に臨んだ際に国歌を歌っていないのは「国際社会での常識に欠ける」というような言い方があり、市長もそのような主旨での発言を以前にしていたと思います。 確かに1つの考え方です。スポーツの対外試合というのは一種の民間外交ですから、それなりの外交儀礼というものがあり、他国の国旗国歌への尊敬だけでなく、自国の国旗国歌に対しても儀式の格調を維持するためにも、国家を代表している敵味方相互をしっかり認めるという意味合いからも必要だと思います。 例えばサ

  • 君が代「口元チェック」の何が問題なのか?

    さすがの大阪の橋下市長も「君が代不起立」問題への反応として、「君が代歌唱の口元チェック」などという行動が現実のものになるとは思っていなかったのではないでしょうか。いつもとは違って、レスポンスまでの時間には、躊躇や熟考があったというニュアンスが漂っています。 そうは言っても、政治家として国政を視野に入れている市長としては、「前進あるのみ」という判断になったのでしょう。ところで、私は従前から、橋下氏のスタイルは、シンガポールの「創業者」であるリー・クワンユー元首相に近いと申し上げてきましたが、今回のエピソードは正にそうしたイメージに重なってきます。 ですが「それでいいのか?」という答えは簡単に出ると思います。それは「ノー」です。 まず、どうしてリー・クワンユーはシンガポールで「チューインガムの禁止」などの強権政治を続けているのかというと、亡くなった金大中(元韓国大統領)との対談での発言ですが、

  • アメリカの宗教保守派と、日本の「夫婦別姓反対論」の異なる点とは?

    アメリカの宗教保守派は妊娠中絶反対に異常にこだわっているわけですが、その背後にはヨーロッパやアジアと結託して稼いでいる東北部やカリフォルニアのリベラルへの反感があるわけです。中絶問題だけでなく、例えば同性婚への反発や、進化論への反対なども同じことです。 どうして21世紀の今日に「進化論否定」なのか、どうして同性婚の合法化にあそこまで反対するのかというのは、文字通りの信念と言うよりも、それだけ宗教保守派の中には「グローバリズムから置き去りに」され「価値観として見下された」ことへの怨念が強いと理解すべきでしょう。 では、こうしたアメリカの保守派が持っている社会価値観の背景にある心情は、日の同種の主張を理解する上で手助けになるのでしょうか? 例えば、日の場合ですと「夫婦別姓論」への反対論というのがあるわけですが、別姓にするかどうかは、その夫婦当人二人の勝手であるわけです。にも関わらず「絶対反

  • 日本の自動車産業が踏ん張っている理由

    先週は日のエレクトロニクス各社の決算予想が次々に発表され、その結果が悲惨であったために、まるで日経済が沈没するかのような気分にさせられたのも事実です。その一方で、自動車産業の方でも、トヨタの生産台数が前年の世界首位から陥落して、GM(米)とVW(フォルクスワーゲン)に続く3位になったというニュースが流れています。一方でライバルの現代自動車(韓国)は世界第5位に上がってきているそうです。 この話題だけを聞くと、日の最後の砦である自動車産業ももうダメか、というこれまた悲観的なムードに傾きそうです。例えば、トヨタの場合は廉価版のハイブリッドである「アクア」の生産体制を拡充するなどというニュースも同時に流れていますが、これもまた、最先端のハイブリッドもデフレに飲み込まれるのかという印象を与えるかもしれません。 ですが、日の自動車産業はエレクトロニクス各社のように、存在意義が揺らぐような危機

  • 「異端児ロン・ポール」の専売ではない在日米軍廃止論、日本はどう対処すべきか?

    2012年の早々1月5日に、オバマ大統領は「新国防戦略」として中長期的な軍縮方針を示しています。二正面作戦は前提としない、軍事的な重点地域を中東からアジアにシフトするという基方針は、とにかく財政健全化の一貫として「軍事費も聖域化せず」という現在のアメリカの与野党合意を踏まえたものと言えます。 現在のところ先週のアイオワ党員集会で格的な「大統領候補レース」に入った共和党は、例えば論戦の中では「イランに対して弱腰なオバマは危険」であるというように、依然として軍事タカ派的なカルチャーを引きずってはいます。ですが、先ほど「与野党合意」と申し上げたように、軍縮という大方針は共和党も理解していると考えるべきです。 例えば、共和党の大統領候補の多くはイランを敵視したり、イスラエルの防衛を強く主張しています。言葉の表面だけを見ていると、まるでブッシュの8年間のようにザブザブ軍事費を使いそうな勢いに見え

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