国旗掲揚と国歌斉唱について「一部自治体で公務員への強制の動きがある」と記述した高校歴史教科書の採択を巡り、神奈川県教育委員会は6日、使用を希望していた県立高28校すべてが、県教委の指導に従い別の教科書に変更したと明らかにした。 県教委によると、使用の見直しを求めたのは実教出版の「高校日本史A・B」。来年度の教科書選定で28校が使用を希望していた。だが、7月23日の県教委臨時会で、複数の教育委員が「(掲揚などは)強制ではない」などと記述内容を問題視し、採択できない可能性を指摘した。これを受け県教委は翌24日、県立高校長が集まった会議で、使用を見直すよう指導していた。 この教科書は国の検定を通っており、今年度は県立高5校が使用している。県教委は1年で判断を変えた理由を「今年4月の最高裁決定で(国歌斉唱時などの)不起立職員名の情報収集が合法とされ、県教委の主張が認められたため」と説明。具志堅