戦争を止めるにはどうしたらよい? ロシアのウクライナ侵攻後、日本では、歴史学の重鎮らが両国に即時停戦を求める声明を発表するなど、平和を求める声がメディアをにぎわせてきました。が、それらの議論になぜか少し違和感を覚える部分もあります。違和感の正体を、ウクライナ研究会副会長などを務める国際政治学者、東野篤子筑波大教授に確かめてみました。【聞き手・鈴木英生】 「憂慮する日本の歴史家の会」(代表・和田春樹東京大名誉教授)は、3月と5月に即時停戦を訴える声明を出して、批判されました。他に、反戦的な動きへの反発として、在日ウクライナ大使館へ千羽鶴を送ろうとした施設や個人が「むしろ迷惑だ」と非難された例もあります。 世代間ではなく専門の違いで論争に ――ロシアとウクライナ両国に即時停戦を訴える声明を出したベテラン研究者と、批判する中堅若手の研究者の間で世代間の論争が起きましたね。 ◆私は、世代間論争とは