大量の情報が蓄積された複合機やプリンターのセキュリティー対策が講じられず、一部がインターネット上で見えていた。実態を調査した朝日新聞の取材を受けた大学や高等専門学校は一様に驚き、ネットと機器の接続を遮断した。多数の機能が一体化した利便性の陰で、危機意識の希薄さが改めて浮き彫りになった。 【写真】ある国立大のプリンターでは「発表論文」や「履歴書」などの印刷履歴が見えていた(大学側の承諾を得て掲載。個人の特定につながる文字にはモザイクをかけています) ファクス番号、メールアドレス、保存文書や画像、印刷文書の表題(ファイル名)……。記者のパソコンにIPアドレスを打ち込むと、宮崎大に設置された複合機やプリンターの内部データが次々と画面に表示された。大学の担当者にこの結果を伝えると、「えらいことになった」と表情をこわばらせた。 IPアドレスはネットにつながる全ての機器に割り当てられた「ネット上の