奈良県の山下真知事は12日、予算執行の一時停止を指示した21項目の事業のうち、近鉄奈良線の移設計画など15事業について、全部もしくは一部を中止する内容の予算査定結果を発表した。令和5年度予算での削減額は計約68億1千万円に上る見通しで、確保した財源を4月の知事選で掲げた教育無償化や福祉政策の強化にあてる方針。 21事業のうち1事業は査定の対象外となり、5事業は執行するとした。残る15事業のうち全部中止となるのは3事業で、一部中止は12事業。その他にも当初は査定の対象外だった14事業を見直し対象として、5年度予算で5億4千万円を削減する。今回の見直しによって将来にわたる事業費は約4730億円削減できると見込む。 近鉄奈良線の移設計画(5年度予算1億2500万円)は一部中止とし、3180万円を減額する。 大和西大寺駅とその周辺の線路高架化を進める一方、平城宮跡を横切る現在の線路を宮跡南側へ移設