温藻(おんも)ひらめ 古くから日本人の心と体を癒してきた温泉は、ミネラルなど様々な成分を含む。そんな温泉内に生息する微生物に着目し、ヒラメの養殖に活用した企業がある。別府温泉を擁する大分県「SARABiO温泉微生物研究所」だ。代表取締役会長の濱田茂さんによると、温泉由来の藻類から抽出した『温泉藻類RG92』をヒラメの餌に混ぜて与えたところ、従来40%程度だったへい死(※)率が15%程度にまで激減したという。 「免疫力が低く陸上養殖が難しいうえ、ここ10年の水質変化でへい死率が悪化し、養殖業者も残りわずか。相談を受けRG92を試したところ、劇的に改善しました」 開発した『温藻ひらめ』は4月から出荷を始め、「肉質も向上し、評判は上々」。さらに餌に加える抗生剤が減り、排水の水質が改善され、周辺水域の環境保全も期待できるそうだ。 現在、魚だけでなく畜産業へも展開中だと濱田さんは語る。 「子豚や子牛