自然保護と石灰岩採掘による開発の間で揺れてきた武甲山(標高1304メートル)。国の天然記念物である石灰岩地特殊植物群落の現地調査が40年超にわたり実施されていないことが明らかとなり、指定地を管理する横瀬町は今後、調査に乗り出すかなどを検討する。ただ、文化庁は「データの蓄積もないことから、現状を把握するには数年かかるだろう」と指摘。一方、山を守ろうと運動してきた人たちは「早く調査を」と訴える。【照山哲史】 植物群落は1951年に天然記念物に指定されたが、83年に指定地が当初より標高が低い場所に変更された。町(当時は横瀬村)が82年まで約2年かけ数回にわたり実施した「最後」の現地調査の結果を受けたもので、標高595~755メートルの約3万2000平方メートルが新指定地となった。