菅野志桜里 The tokyo Post編集長 論破の先は焼け野原。だから、論破より対話。対話から合意形成。 「言論の府」といわれる国会で約10年議員をつとめました。 時の総理大臣から議員、学者、当事者など、たくさんの人と議論する機会に恵まれました。 社会をよくしたいという人々の気持ちに直接触れ、共に課題の解決策を探そうと協力し、個人のもつ志と能力の素晴らしさを確信することもできました。 一方で、私的な言論空間には確かに存在した共感が、公的な場に移った瞬間に失われ、冷たい論破の場に変わるということも少なくありませんでした。 「論破」「炎上」という現代の幻への不安が、個々の素晴らしい意見を内心に封じ込め、公的な言論空間への表出を妨げる場面も見てきました。 私自身が、論破する側に立ったこともあったし、論破を恐れて沈黙する側になったこともありました。 時代と地域の交差点ごとに、社会の価値観は異な