家業を老母から教わっているのだが、わが老母は人にものを教えるのが激烈に下手であり、しかもその自覚を完全に欠くので、たいへんにアレである。だいたい老母自体が仕事を判っちゃいない。 ものを「伝える」「教える」の巧拙について。 「伝える」「教える」ことの下手な人というのは、まあ色んなパターンがあるけど、一つの類型としては、相手が判り切っていることをくどくど言い、相手が何を知らないのか、何に疑問を抱くかに対して、想像力と理解力が働かず、相手が「知らない」こと「疑問に感じ、躓きやすい」ことについては決して教えないし伝えない。あるいは相手の記憶に最も残りにくいかたちでしか伝えない。情報をスッキリと要点にまとめる、ということができず、情報をムダに断片化し、ムダに作業を繁雑にさせる。というのが類型の一つだ。 具体的には、私は現在の仕事を20年前までずっとしていて、10年前にもしていたのだから、10年前から