Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 山形大学 ソフト&ウェットマター工学研究室(Soft & Wet matter Engineering Lab、SWEL)の研究チームによる「代替食品における3Dフードプリンターの活用」は、コオロギを粉末状にし、クッキー生地と混ぜた材料を食品専用の3Dプリンタで印刷する研究だ。 昆虫はタンパク質やミネラルを豊富に含み、環境負荷が少ないことから将来の食肉の代替品として期待されている。その一方で、昆虫の見た目による忌避感が昆虫食の普及を妨げている。 そこで本研究では、昆虫をいったん乾燥させてパウダー状にする方法で忌避感の低減を試みた。粉末化した昆虫は、他の材料と混ぜて3Dプリンタ(3Dフードプ